2018 Fiscal Year Research-status Report
グローバル化における『狩猟採集民』と『農耕民』関係の再考
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15K21109
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Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
加藤 裕美 福井県立大学, 学術教養センター, 准教授 (10646904)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | マレーシア / ボルネオ島 / 狩猟採集民 / 社会関係 / アイデンティティ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、グローバル化における『狩猟採集民』と『農耕民』の関係について再考することを目的としている。本年度は、研究期間の4年目にあたるため成果の取りまとめや発信、そしてマレーシアにおける現地調査を中心に研究を遂行した。 (1)マレーシア・サラワク州ラジャン川上流における『狩猟採集民』と『農耕民』の関係現地調査:2018年9月にマレーシア・サラワク州ラジャン川上流において現地調査を行った。狩猟採集民シハンの集落を中心に、おなじく狩猟採集民であるプナン・ブラガンとの歴史的な関係について聞き取り調査を行った。また、周辺の農耕民であるカヤン、シカパン、クジャマンなどとの婚姻関係や擬家族関係についてインタビューを行った。 (2)研究成果の国際発信:2018年8月に、ブラジル・ベレンで開催された第16回International Society of Ethnobiology Congressにおいて口頭発表を行った。マレーシアとインドネシアの狩猟採集民と農耕民における野生動物の狩猟について研究成果を発表した。また、英文書籍に掲載する論文を執筆した。論文は、狩猟採集民と農耕民の狩猟の比較に関するもので、2020年に刊行される予定である。 (3)研究成果の国内発信:狩猟採集民と外国人を含めた周辺民族との社会関係について、日本語書籍に掲載する論文を執筆した。書籍は2020年に刊行される予定である。2018年10月には、日本文化人類学会北陸人類学研究会においてマレーシアの狩猟採集民シハンの社会性について研究成果のまとめを口頭発表した。また成果の一部を日本文化人類学会北陸人類学研究会ニューズレターに掲載した。さらに、マレーシア・ラジャン川流域における狩猟採集民と農耕民が観光に関わるプロセスについて福井県立大学公開講座で講演を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に沿って着実に成果を残しつつある。2018年度は研究期間の4年目であるため、研究成果のまとめに多くの時間を費やした。日本語と英語、両方の書籍に掲載する論文を執筆した。書籍は、研究期間中には刊行されないが、来年度刊行される予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は研究成果の取りまとめに力を注ぐ予定である。
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Causes of Carryover |
次年度に予定している研究成果の発表に資金が必要となったため。旅費として使用する予定である。
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