2016 Fiscal Year Annual Research Report
Synthesis of gamma-glutamyl transpeptidase-specific chemical probes and their application to cancer immunotherapy
Project/Area Number |
15K21117
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
渡辺 文太 京都大学, 化学研究所, 助教 (10544637)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | γ-グルタミルトランスペプチダーゼ / 酵素阻害剤 / 分子プローブ / 抗体依存性細胞傷害 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度の研究では、GGsTopのハプテン導入可能位置を明らかにすることを目的とし、これまでに得られたホスホン酸ジエステル型GGT阻害剤の構造活性相関情報に基づき、GGsTopのメチルエステル部位にポリオキシエチレン型のリンカーを介してハプテンを導入した分子プローブの分子設計および合成を行った。GGTを用いた酵素試験の結果、合成した分子プローブのGGT阻害活性はほぼ消失したことから、GGsTopのメチルエステル部分はハプテン導入部位として不適切であることを明らかにすることができた。 本年度はこの結果を踏まえ、新たなハプテン導入部位の探索を行った。これまでの研究で、GGsTopのメチルエステルを3-(カルボキシメチル)フェニルエステルに変換してもGGsTopの80%程度の酵素阻害活性を示すことを確認しているため、3-(カルボキシメチル)フェニル基のカルボキシ基へのハプテン導入について検討することにした。具体的には、4,7,10-トリオキサ-1,13-トリデカンジアミンの一方のアミノ基をアセチル化した後、3-ヒドロキシフェニル酢酸と縮合した。次に、得られたフェノールを用いて、従来法によりホスホン酸ヘテロジアリールエステルを合成した。さらに保護基を除去することで、目的とする分子プローブを合成した。GGTを用いた酵素試験の結果、合成した分子プローブはGGsTopの40%程度の高い酵素阻害活性を保持しており、2個の3-(カルボキシメチル)フェニル基を有する阻害剤においては、その片方のカルボキシ基がハプテン導入部位として適切であることを明らかにすることができた。
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