2015 Fiscal Year Research-status Report
LAT1/4F2hc-インテグリン複合体を介するがん細胞特異的な生存機構の解明
Project/Area Number |
15K21133
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
兼田 加珠子 (中島加珠子) 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教(常勤) (00533209)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | アミノ酸トランスポーター / インテグリン / 栄養制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、システムLアミノ酸輸送体LAT1の高発現と様々ながん種の予後不良の相関から、LAT1/4F2hc-インテグリン複合体を介するがん細胞特異的な生存機構という、栄養制御と接着分子との共役関係の解明を目的としている。 本年度はLAT1/4F2hc-インテグリンの転写制御機構の解明を目的として、まずLAT1のPromoter領域を単離し、活性化に関わる領域の同定を行った。Promoter assayにより活性化制御領域を絞り込み、ChIP Assayを用いて活性化領域の確認を行った。次にLAT1の発現をsiRNAで抑制し、複合体発現への影響を検討した。その後過剰発現系において検証を行った。現在がん特異的な代謝機構の解明のためのメタボローム解析サンプルの条件検討を進めている。次に、LAT1特異的阻害薬を用いた比較定量的プロテオミクスを実施した。また、LAT1/4F2hc-インテグリンの関わる生存、浸潤及び転移機構の検討を行うために、創傷治癒アッセイを実施し、LAT1の機能阻害が細胞の進展に関わることを確認した。次年度は、ボイデンチャンバーを用いたMigration assayにより、LAT1/4F2hc-インテグリンのリガンド存在下における細胞の運動能力のさらなる評価を行うとともに、発現抑制系・過剰発現系を用いた関連シグナルの解明を進める。 正常細胞が、がんに転化する機構を明らかにする事により、がん細胞特異的な増殖抑制や、がん細胞の消滅を目指した副作用の少ない薬物の創製が可能となる。本研究はLAT1-4F2hc-インテグリン複合体の抗がん薬耐性への関与、増殖能等、がん細胞の生存において果たす役割を解明することで、これらの分子を標的としたがん治療法の開発に資する基礎データを蓄積するために重要な意義を持つ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画書内容と多少前後するものの、研究期間に予定していた項目の半分以上を達成できているため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画とは若干の前後があるが、概ね予定通り進行している。 現時点では、研究計画の進行における大きな障害はない。そのため、確実に研究を進めていくことが第一と考えている。しかしながら、研究の進行上、さらなる検討が必要となり、経費が足りなくなることが予想された場合は、別途外部資金の獲得に尽力する予定である。
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Causes of Carryover |
学術集会の開催地が近隣が多く、当初の予定よりも旅費を安価にすることが出来た。また、物品費に関しても、無駄を努めて省いて実験を進めていたため、当初の予定よりも少ない予算で研究を進めることが出来た。以上の理由により次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は本年度より繰り越した研究費を加え、予算内で最大の研究結果を得られるよう、努力を行う。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Superoxide-Generating Nox5α Is Functionally Required for the Human T-Cell Leukemia Virus Type 1-Induced Cell Transformation Phenotype.2015
Author(s)
Shigemura T, Shiohara M, Kato M, Furuta S, Kaneda K, Morishita K, Hasegawa H, Fujii M, Gorlach A, Koike K, Kamata T.
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Journal Title
J Virol.
Volume: 89
Pages: 9080-9089
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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