2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K21161
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
山根 隆宏 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (60644523)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 発達障害 / 養育者 / 援助要請 / オンラインソーシャルサポート / 育児ストレッサー / 検索エンジン |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は自閉症スペクトラム児をもつ親の援助要請困難感について明らかにすることと、オンライン上のソーシャルサポートと育児ストレッサーの変化について検討することを目的とした。新たに自閉症スペクトラム児をもつ親16名に対して面接調査をおこない、援助要請を阻む要因についてすでにデータの収集を終えている。自閉症スペクトラム児の親の援助要請を阻む親の意識も含めた多様な側面を聴取することができた。現在、これらのデータを分析中である。 それらと並行して昨年度までに収集した縦断データの分析をおこなった。その結果、親のメンタルヘルスに対するオンラインソーシャルサポートの効果や育児ストレッサーの縦断的変化が明らかになった。これらの結果については、自閉症スペクトラム児をもつ親のストレスに対する長期的な効果をもつサポートのあり方や、オンライン上のソーシャルサポートの提供の今後の役割について示唆を与えるものといえる。さらに関連学会にて情報の収集をおこない、かつ先行研究のレビューを終えることができた。 以上の分析結果やこれまでの研究成果について、The 31st International Congress of Psychologyにてポスター発表をおこない、日本自閉症スペクトラム学会第15回研究大会の自主シンポジウムにて話題提供をおこなった。また、オンラインソーシャルサポートについて研究論文をまとめ、関連学会に投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度に予定していた面接調査はすでに実施しており、データを収集済みであるため。
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Strategy for Future Research Activity |
面接調査の結果を踏まえた尺度作成を進めていく。また、今年度は研究計画の最終年度であるため、これまでの研究成果を学会発表および学術雑誌にて発表を進めていく。具体的には縦断データの解析結果と、今年度収集した面接調査データの成果をまとめていく予定である。
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Causes of Carryover |
調査協力者への謝金は協力団体との話し合いの結果、不要となったため使用しなかった。また調査補助のための人件費は、研究代表者で対応できたため、使用しなかった。海外発表費用については、今年度は他の研究採択課題について発表したため、今年度は使用せず、来年度に繰り越すこととした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は旅費としてオランダで開催される18th European Conference on Developmental Psychologyでの発表、日本国内の心理臨床学会、発達心理学会、教育心理学会等の発表に使用する予定である。研究成果について英語論文執筆のために英文校閲に予算を使用する。データ分析の補助者に謝金を支払う予定である。
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