2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of the recognizable algorithm the elderly people who have a risk for fall based on urinary continence assessment
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15K21174
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
宮本 まゆみ 島根大学, 医学部, 講師 (80551746)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 夜間 / 残尿量 / 離床 / 転倒リスク / 入院高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は,引き続き高齢者の夜間の膀胱内尿量の変化と離床行動記録を収集し分析を行った。対象は,研究協力施設に入院入所されている寝たきりでない高齢者で,研究の同意が得られた方。測定データとして,夜間の膀胱内尿量および離床行動記録を2日間収集した。膀胱内尿量測定には膀胱用超音波画像診断装置を用いた。また,前年度までに開発した離床行動検知・記録システムを用いて対象者の夜間の行動を記録した。これらのデータをもとに,膀胱内尿量と離床のタイミングを照合し,離床頻度や残尿量等から転倒のリスクについて考察した。 夜間の膀胱内尿量変化と離床行動の照合が可能であったのは6例であった。平均年齢は84.2±1.1歳。一晩の離床回数は10回以上が1名,5回~9回が3名,2回~4回が2名であった。離床回数が10回を越えた者は残尿量が100~200mlあり,ポータブルトイレ移動は自力でできる方であった。尿失禁はみられなかったが,離床間隔は最短で10分程度のこともあった。離床回数が5回~9回の者は,膀胱容量が200ml以下であることや泌尿器科疾患に罹患しているという特徴がみられた。離床回数が2回~4回の対象者については,1名は膀胱容量が350ml程度あり残尿量はほとんどみられなかった。もう1名は,膀胱容量は500ml以上と多かった。残尿量も多く尿失禁もみられた。膀胱壁が弛緩し,尿意の低下があることが考えられた。残尿量がほとんどない高齢者については,各々の膀胱容量に達してから離床しており,その間隔は個人差はあるものの,個人の中である程度一定であることが共通していた。 夜間の離床頻度から転倒リスクを考えると,残尿量が多い高齢者は転倒リスクが高いことがわかった。なかでも,残尿感や尿意をいつも感じている者は,離床間隔が不規則で予測が困難で,特に転倒リスクが高いことが見出された。
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