2015 Fiscal Year Research-status Report
ダイレクトリプログラミング法を用いた新規脳梗塞治療法の開発
Project/Area Number |
15K21181
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山下 徹 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (60644408)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 脳梗塞 / ダイレクトリプログラミング / iNS細胞 / 細胞移植療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではマウス皮膚線維芽細胞より神経幹細胞を直接的に誘導し(induced neural stem cells; iNSCs)、脳梗塞などを含む神経疾患への治療応用へ展開するための基礎的研究基盤を確立することが目的である。 平成25年度に主にダイレクトリプログラミングを行うためのウイルスベクターの構築を行った後、平成26年度は 韓国建國大学のDong Wook Han博士との共同研究により神経幹細胞特異的な4つの転写因子(ここではFactor Xsとする)をマウス皮膚線維芽細胞にレトロウイルスベクターを用いて強制発現させることで、iNS細胞株を樹立した。またin vitroの実験系において、その細胞株が多分化能を持つことも確認した。その上で、平成27年度に、虚血24時間後のマウス脳梗塞モデル(30分一過性脳虚血モデル)の虚血周辺部に未分化なiNSC細胞50万個を細胞移殖を行い、その後の生存率、運動機能、脳梗塞体積等を検討したところ、iNSC細胞移殖群ではコントロール群と比較して、明らかな生存率の改善と運動機能改善効果を認めた。移植後28日後、8ヶ月後の検討の結果、移植された細胞は大部分がアストロサイト等のグリア細胞に分化していることが明らかになった。また移植後8ヶ月までの間で、その細胞移殖群から腫瘍形成は認めないことを確認している。 以上の実験結果から、本実験で用いたiNS細胞株が脳梗塞急性期において治療効果があり、かつ安全性が高い細胞であることが示された。以上の結果を既に英語論文にまとめ現在国際英文誌に投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
すでに当初予定していた動物実験ならびに免疫染色等を含めた解析は終了し、論文投稿中であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
当教室では、すでにiPS細胞や骨髄幹細胞を含め多様な細胞を用いた移植治療法の検討を行ってきている。今後もこれらの細胞移植モデルを利用して、その治療効果ならびにその治療作用メカニズムの評価を行っていく方針である。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Nakano Y, Deguchi K, Yamashita T, Morihara R, Matsuzono K, Kawahara Y, Sato K, Kono S, Hishikawa N, Ohta Y, Higashi Y, Takao Y, Abe K.2015
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