2015 Fiscal Year Research-status Report
in vivoイメージングを用いたリンパ輸送機能定量的評価法の確立
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15K21182
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
杉山 成史 岡山大学, 大学病院, 医員 (80379776)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | リンパ輸送機能 / リンパ浮腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
まずはin vivoイメージングによるリンパ輸送機能定量のために適した蛍光物質の検討を行った。インドシアニングリーンは臨床でも使用されている安全性の確立した物質であるが、体内でアルブミン等と結合しなければ蛍光を発しない。そのため注入後に蛍光強度が安定せず、定量には適していないことが予備実験でも分かっていた。そこで、アルブミンとの混合液を注入することを考え、アルブミンの希釈系列とインドシアニングリーンを混合し、結合の飽和点を探索した。インドシアニングリーンが0.025mg/mlに対し10%BSA、インドシアニングリーン0.0025mg/mlに対し1%BSA程度で飽和している事が分かった。しかし、飽和したインドシアニングリーン・BSA混合液でも注入後の蛍光強度は安定しなかった。これは、実際の体内ではアルブミンよりもリポ蛋白と結合しているといわれており、それが原因ではないかと考えられた。IRDye 800 PEGは長波長の蛍光を発する物質であり、透過性も高く、リンパ輸送機能には適していると考えられたが、高価で保存期間も短いため、探索的実験に大量に使用していては実験継続が困難であると考え、断念した。FITCデキストランは比較的安価で長期保存後も安定しており、波長は短いものの体表面に残存する蛍光物質の強度を測定するだけであればIRDyeと遜色なく使用可能であった。ただし、体毛の自家蛍光との干渉が問題になるため、十分な除毛や遮蔽が重要出あることも分かった。現在、FITCデキストランを用いて、リンパ輸送機能定量のための注入濃度や注入量の条件検討を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
蛍光物質の注入条件検討中であり、ある程度結果は出てきているが、条件を確立するには至っていない。理想的な蛍光物質の検討にやや時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
実験計画に沿って、FITCデキストランの注入条件を検討し、確立する。さらに、各種動物モデルにおけるリンパ流を定量する。
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Causes of Carryover |
予想よりも安価に試薬等を購入出来たため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
試薬、実験動物購入、in vivoイメージング使用料に使用する。
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