2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K21187
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
岡崎 善弘 岡山大学, 教育学研究科, 講師 (00725997)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 時間管理 / 夏休み / 小学生 |
Outline of Annual Research Achievements |
夏休みが終わる頃は精神的動揺やストレスが生じやすい傾向があるため,文部科学省(2016)は教育委員会や学校等に注意喚起と対策を呼び掛けている。本研究は、夏休みの宿題の取り組み方に焦点を当てて、夏休み中の子どもたちの宿題の取り組み方と学習意欲およびストレスの関係について検討した。 宿題に取り組む計画を3タイプ(毎日少しずつ宿題に取り組む継続型、夏休みの前半に宿題をすべて終わらせる前半集中型、夏休みの後半にまとめて宿題に取り組む後半集中型)に分類し、学習意欲と計画タイプの関連を調べた結果、学習意欲が高い子どもは、宿題を早く終える計画を立てている傾向が高かった。また、宿題を早く終える計画はその他の計画タイプに比べて破綻しやすいことも明らかになった。さらに、夏休みの宿題の取り組み方を3タイプ(毎日少しずつ宿題に取り組んだ継続型、夏休みの前半に宿題をすべて終わらせた前半集中型、夏休みの後半にまとめて宿題に取り組んだ後半集中型)に分類し、ストレスと取り組みタイプの関連を調べた結果、夏休みの終わり頃から宿題に取り組んだ前半集中型の子どもは、その他の取り組み方で宿題を行った子どもよりもストレスが高かった。以上の研究から、夏休みの宿題を早く終えようとする計画は不適切であることが示唆された。また、夏休みの宿題の先延ばしは、夏休みの終わり頃になって負担が急増するため、適切な取り組み方ではないことも示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
夏休みの時間管理と学習方略の関連性に関するデータを収集することができた。また、得られたデータ数は多く、研究成果を学校現場に還元する上で信頼できる結果となった。
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Strategy for Future Research Activity |
今回の研究に用いた心理指標と類似する調査を実施して、得られた結果の妥当性の高さについても検証する。また、夏休み中の子どもの心理的背景についてさらに多面的に検討する予定としている。
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Causes of Carryover |
学部内の改組のため十分な調査日数を確保することができなかったため、調査補助に人件費が予定よりも余る結果となった。次年度では昨年度分の調査対象を含めた調査を実施する予定としている。
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