2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of mildly introducible PMB-substitute protecting groups and their application to the total synthesis
Project/Area Number |
15K21210
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
鳥飼 浩平 九州大学, 理学研究院, 助教 (20456990)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 保護基 / ナフチルメトキシメチル基 / 選択的除去 |
Outline of Annual Research Achievements |
【最終年度に実施した研究の成果】 最終年度であるH29年度は,前年度までに開発したナフチルメトキシメチル(NAPOM)基の応用研究として,NAPOMを効果的に用いた,天然有機化合物の合成を主に推進した.申請当初はpetrosiol類を合成標的として挙げていたが,本年度開始時点で,糖鎖やペプチドがその合成過程において,よりNAPOM基の性質を活かせる天然有機化合物であることに気付いたため,標的分子を糖とアミノ酸に移し研究を行った.i)NAPOM基で保護した化合物(糖供与体)を糖同士の連結(グリコシル化)反応に付すと収率は中程度であるものの,望む連結体(グリコシド)が得られたこと,およびii)アミノ酸にNAPOM基を簡便に導入する方法論を開発でき,得られたアミノ酸にラセミ化と呼ばれるペプチド合成中の副反応の抑制が期待できることは,NAPOM基の糖鎖やペプチドの合成における高い有用性を示している.以上のことから,H29年度は当初掲げたNAPOM基の天然物合成への応用という目標を達成することができたと考えている. 【研究機関全体を通じて実施した研究の成果】 本研究では有機合成化学においてアルコールやチオールを修飾することによりその反応性を抑制し,不要になった時に穏和な条件で除去できる新奇保護基1-NAPOM基および2-NAPOM基を開発した.すなわちこれらの保護基は,i)良く似た性質を有するベンジル系保護基と外し分けが可能,ii)弱塩基性,室温という穏和な条件で除去できる,iii)導入剤であるNAPOMクロリドが安定かつ純粋な形で取り出せる固体であるため保存性がよく,商品化もできた,という点で既存のベンジルおよびベンジロキシメチル基よりも優れている.またこれらの保護基は糖やペプチドの合成に有用であることも確認できたため,今後有機合成化学における使いやすいツールとなることが期待される.
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Syntheses and Biological Activities of the LMNO, ent-LMNO, and NOPQR(S) Ring Systems of Maitotoxin2017
Author(s)
Onoue, H.; Marubayashi, R.; Ishikawa, E.; Konoki, K.; Torikai, K.; Ebine, M.; Murata, M.; Oishi, T.
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Journal Title
J. Org. Chem.
Volume: 82
Pages: 9595~9618
DOI
Peer Reviewed
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