2015 Fiscal Year Research-status Report
中期更新世気候変換期における西部熱帯太平洋貯熱量変動の解明
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15K21221
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
佐川 拓也 金沢大学, 自然システム学系, 助教 (40448395)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 熱帯太平洋 / 古水温復元 / 浮遊性有孔虫 / マグネシウム/カルシウム / 古海洋学 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度はオントンジャワ海台で採取されたPC4コアの酸素同位体分析を行った.約2 cm毎に採取された堆積物試料から浮遊性有孔虫Pulleniatina obliquiloculataを拾い出し,安定同位体質量分析計にて分析した.上部から4.6 mまでを分析し,平均的な酸素同位体カーブと対比することでおおよその年代値を得た.その結果,コアのトップは約7万年前,深度4.6 m部分が約36万年前であることがわかった.コアトップが7万年前であることから,採泥時に堆積物表層を回収できていないことが明らかとなった.オントンジャワ海台のPC4コア地点から約580 km南東側に位置するP2コアについて,過去30万年間の酸素同位体がKimoto et al. (2003)で報告されている.PC4とP2コアで重複している年代区間について比較したところ非常に良く一致しており,PC4コアの最表層部分以外は状態の良い古環境解析に適した試料であることが確認された.また,新しい所属機関でMg/Ca分析ができるよう環境を整備した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定ではセディメントトラップ試料のMg/Ca分析を初年度に行う予定であったが,研究代表者の所属機関が変更になったことに伴い,Mg/Caの分析環境を整える必要が出た.そこで,予定を変更してPC4コアの酸素同位体による年代推定を当初の初年度に予定していた試料数(70試料)よりも多く(約200試料)行い,Mg/Ca分析は次年度に行うこととした.
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Strategy for Future Research Activity |
初年度にMg/Caの分析環境を整えることができたので,今後はセディメントトラップ試料の分析と,PC4コアの酸素同位体層序の確立を最優先に行う.PC4コアでカバーできていない過去7万年間については,これまでに採取されたP2コアなど既存のコア試料を用いることで補う.同位体分析が終わった試料について随時Mg/Ca分析を行い,古水温の推定を進める.
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