2016 Fiscal Year Research-status Report
微小体積での多成分ガス検知を目指したセンサ用素子の階層的配置と3次元溝構造の制御
Project/Area Number |
15K21225
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
村上 直 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 助教 (90443499)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | MEMS / 微細加工 / 3次元溝構造 / ガスセンサ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、多成分ガスを、より小体積のガス試料から検知できるセンサユニットの実現を最終的な研究目標としている。そこで本研究期間(3年間)にはまず、ガスセンサに利用できる微小デバイス素子を同一置基板上に複数個配列させた「デバイス素子アレイ」を作製し、さらに、その素子間の分離等を行うための「3次元溝構造」を組み合わせる手法を開発する。また同時に、その「デバイス素子アレイ」基板の微小な分析チャンバー内への配置方法や寸法等の影響を検討するための「流体解析モデル」を作成し、その基板の寸法や配置方法についても検討する。 本年度は、前年度の研究結果を踏まえ、弾性表面波(surface acoustic wave; SAW) デバイス素子の電極のデザイン(寸法・形状・断面構造)の変更を実施した。また、そのSAWデバイス素子アレイ基板への素子間分離のための3次元溝構造の組み合わせに関しては、予めSAWデバイスアレイを作製した基板に対して、電極材・圧電材薄膜の各層のエッチング加工(化学反応による除去加工)とその下地のシリコン基板の深掘り微細加工を順次行うプロセスを新たに開発し、デバイスを構成する多層薄膜の各層まで貫通させた溝構造の作製に成功した。さらに、隣接するデバイス素子間の分離に適した溝構造の探索についても、デバイス・溝作製プロセスの改良と並行して実施した。 上記のデバイス作製プロセス等の検討とは別個に、複数のセンサ素子をアレイ化した基板を分析チャンバー内に配置する際に、素子間分離溝や基板の配置が試料ガスの流れに及ぼす影響について検討するための流体解析モデルの作成も実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上記の通り、デバイス素子と3次元溝構造の作製プロセス、および、センサ素子基板の配置に関する流体解析については、当初計画通りに進展している。 一方で、素子間の分離等に適した3次元溝構造の探索については、まだ一部の評価手法が確立途上であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画の予定より遅れている、素子間の分離等に適した3次元溝造溝の探索についての評価については、貫通エッチングにより素子間を構造的に分離したデバイスを主に用いて引き続き実験を進めることで、その溝構造の評価手法の確立を急ぎ進める。また、デバイス素子の特性完全のためのデザイン改良および素子配置に関するモデル作成については、前年度までに得られた結果も踏まえながら、当初計画に沿った研究を進める予定である。
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Causes of Carryover |
残額が非常に少額で、次年度に繰り越して合算して使用する方が、より有益に使用できると考えられたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度分と合算して、物品費として使用する計画である。
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