2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development and evaluation of quantitative criteria for motherese
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15K21232
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
原口 佳織 (黒田佳織) 東京理科大学, 工学部電気工学科, 助教 (70736397)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | マザリーズ / 音声認識 / 定量化 / 産後うつ / HMM / DNN / GMM |
Outline of Annual Research Achievements |
乳児に話しかける際,一般的に親はマザリーズと呼ばれる特徴的な話し方をする.マザリーズの表出能力には個人差があることが明らかにされつつあり,特に産後うつに罹患している母親はマザリーズの表出能力が低くなるということが研究で示されている.本研究では,マザリーズ音声の客観的定量化指標の開発と,さらにその定量化指標による評価結果と産後うつとの関連性を明らかにする.平成29年度は,マザリーズ定量化指標を用いて被験者の収録音声を評価し,さらに被験者の心理質問紙から産後うつのリスク判定を行い,マザリーズ定量化指標と産後うつの関連性について調査した.マザリーズ定量化指標は隠れマルコフモデルを用いた音声認識の手法を応用し,隠れマルコフモデルの出力確率の算出に混合ガウスモデルを用いる場合とディープニューラルネットワークを用いる場合の2つの方法を用い,それぞれの指標で評価した.その結果,混合ガウスモデルを用いた手法の方では,心理質問紙のリスク判定値が高い被験者において,マザリーズ定量化指標の値が低い結果となった.つまり,マザリーズの表出能力の低さと産後うつの関連性が示された.一方,ディープニューラルネットワークを用いる手法においては,有意な関連性が示されなかった.これについては,今後,ディープニューラルネットワークの学習に用いるデータ数をさらに増やし指標の精度を向上させることで,関連性を示すことが出来るのではないかと期待できる.以上より,マザリーズ定量化指標を用いることで,乳児に話しかけるときの音声から母親の産後うつを自動でスクリーニングできる可能性が示された.
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Research Products
(3 results)