2015 Fiscal Year Research-status Report
腫瘍生物学的因子と患者の肥満や糖・脂質代謝異常を背景とした新規乳癌亜型分類の構築
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15K21239
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
林 光博 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 研究員 (50735628)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 乳癌 / 肥満 / BMI / 脂質代謝 / 腫瘍硬度 / elastography |
Outline of Annual Research Achievements |
日本における乳癌患者は欧米を追従するかの如く増加の一途であり、その要因として患者環境要因の変化が示唆されている。欧米では肥満率の増加がその主たるものとされるが、日本では肥満率としては増加しておらず乳癌の生物学的特徴も欧米と異なることが示唆される。 日本の現状に則した患者環境要因と乳癌生物学的相互機序の解明を行うべく、まず患者のBMIや血中脂質レベルと乳癌生物学的因子の相関解析を行った。乳癌患者865名のうちBMI 25以上の患者は21.5%であり、その中でもBMI 30以上の患者は6.6%であった。乳癌サブタイプとの関係では閉経前ではNon-Luminal乳癌に、閉経後ではLuminal乳癌にBMI高値群が多く、全体ではプロゲステロン受容体発現とよく相関していた。またBMI 30以上の患者ではIGF1R mRNA発現が高値であり、elastographyにて乳癌硬度が有意に高い結果であった。そのため乳癌硬度に影響を与える因子を解析すると、相対的に硬い乳癌では潜在性を含めた腋窩LN転移の頻度が高く、lysyl oxidaseのmRNA発現が高値であった。 一方、血中の中性脂肪レベルと乳癌サブタイプとの間に相関を認めたため、MCF-7細胞においてエストロゲン刺激と脂肪酸代謝酵素発現レベルを解析した。またMCF-7とMDA-MB-231細胞において脂肪酸受容体を阻害すると細胞増殖が抑制され、メタボローム解析ではcreatineやcarnitineを含めた18分子の変動を検出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
肥満に関わる腫瘍生物学的因子を同定し、in vitroでの乳癌細胞増殖に脂質代謝が関わることを確認しているため順調と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きin vitro実験を行い、担癌マウスモデルを用いた実験へ展開する。臨床検体を用いて、肥満・脂質代謝異常と患者転帰との関係を解析する。
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Causes of Carryover |
当施設の主な発注形式が入札方式のため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
翌年度の細胞動物実験にかかる消耗品購入物品費として用いる。
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Research Products
(2 results)