2017 Fiscal Year Annual Research Report
Empirical research on the "supporter" of public theaters in Naples from late 18 to early 19th century
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15K21243
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
山田 高誌 熊本大学, 教育学部, 准教授 (10580665)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | オペラ / 劇場 / 興行 / ナポリ / 演劇 / 公証人文書 / 興行史料 / 音楽史 |
Outline of Annual Research Achievements |
2015年度から2017年度にかけての補助期間中3年中に、イギリス、イタリアでの調査ほか、本研究テーマに関わる学術会議での2点の招待講演(2017年アヴェリーノ音楽院、2018年アヴェルサ市)、4点の論文、ほか楽譜、CD翻訳等の出版を行った。また別途、科研分担研究者として関わった山鹿・八千代座に関する劇場史料調査にも参加し、イタリア文化会館大阪と実施したボローニャの演劇団<フラテルナルコンパニア>八千代座公演(2016)、および在ローマ日本文化会館においての<八千代座を例とする、日本の“地方”の劇場の役割に関するシンポジウム>(2018)について、実施責任者として遂行した。 具体的な研究成果として、まず大英博物館に所蔵されている駐ナポリ英国大使W.ハミルトンによる本国に宛てられた報告書(Egerton MS2634~MS2641)の1764年から1800年にかけての史料調査において、オペラ、劇場といった観点からの報告は見当たらず、当初の仮説の検証には至らなかった。 しかし、断続的に続けてきたナポリ銀行歴史文書館での調査、および、ナポリ公証人文書館史料(2017年度については、すべてナポリ公文書館に移管となり閲覧不可。2018年度より史料閲覧可能となったため、2018~2021年度科研基盤Bの課題として調査再開)、およびフィレンツェ音楽院に残されるスコア群と台本調査、ほか楽譜出版社Da Vinciが進める、チマローザのオペラ全点楽譜校訂版プロジェクト、アヴェルサ市<チマローザ国際音楽祭>、ビトント市<アプリア・フェスタ>、マテーラ音楽院が推進する作曲家ドゥーニに関する国際シンポジウムなど、現地での様々な学術活動に参画できるようになったのは、本研究テーマを推進する中での種々の関わりや発表を通しての結果であり、予想を上回る成果を生んだと言える。
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