2016 Fiscal Year Annual Research Report
Cardio-splenic interaction in atrial fibrillation with hypertension and diabetes
Project/Area Number |
15K21245
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
近藤 秀和 大分大学, 医学部, 病院特任助教 (90724170)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 脾臓由来IL-10 / 圧負荷モデル / 繊維化抑制 |
Outline of Annual Research Achievements |
腹部大動脈縮窄術による圧負荷モデルラットにおいて脾臓を摘出すると、血中IL-10濃度が低下することが判明し、引き続き炎症性サイトカインの上昇を認め、心臓の炎症や線維化が増悪しており心臓リモデリングの増悪を認めた。心房細動の誘発性を検証したところ、心房細動の誘発性が上昇していた。圧負荷モデルラットでは脾臓でのIL-10の産生が亢進することも判明したため、脾臓由来IL-10は圧負荷モデルラットにおいて心臓リモデリングを抑制し、心房細動の受攻性亢進を抑制する働きを担っていることが判明した。実際に脾臓摘出した圧負荷モデルラットにIL-10の補充を行うと心臓リモデリングが有意に抑制し、心房細動の誘発性も有意に抑制した。このことは高血圧により誘発される心臓リモデリング及び心房細動易誘発性に対して有効な治療法の発見につながる可能性がある。圧負荷を代表する疾患である高血圧症における脾臓機能の重要性を示唆し、血中IL-10濃度測定が高血圧患者の心房細動発症リスクを予測することが出来るかもしれない。しかし、IL-10の補充療法は否定的な臨床試験も出ており、どのような患者にIL-10の補充が有効なのかなど今後の検討課題はまだ残っている。今後は高血圧合併心房細動患者の実際のIL-10濃度の測定などを行い、濃度が下がっているのかなど調査する必要がある。本研究の実験内容は前年度にHeart RhythmというJournalに英文で報告した。また、糖尿病合併心房細動におけるIL-10の重要性に関してはまだ検索できていない状況であり、糖尿病モデルマウスにおけるIL-10濃度や、IL-10投与による有効性などを検討していく方針である。
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