2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K21246
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
盛満 弥生 宮崎大学, 教育文化学部, 講師 (20627666)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 子どもの貧困 / 生活困窮 / 所得水準 / 地域格差 / 子どもの貧困大綱 / 学習支援 / 居場所づくり / スクールソーシャルワーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、A県内での事例研究を通して、地方における子どもの貧困の実態を実証的に把握することである。地方の子どもの貧困実態を詳細に分析することによって、格差・貧困と教育をめぐる研究の学術的発展に寄与するだけでなく、「子どもの貧困対策の大綱」に基づき、県や各市町村が今後講じていくことになる支援策がより地域の実態をふまえたものとなると考える。本研究は、具体的には以下の2つの作業から成り立つ。 (a)既存データの再分析から、A県内の格差・貧困の実態をマクロに捉える。 (b)A県内における生活困窮家庭の子どもたちに対する支援活動を行っている各分野の支援者、行政・学校・福祉関係者へのインタビュー調査により、地方における子どもの貧困の構造をミクロな視点から描き出す。 平成27年度は主に既存の公式統計データ等の分析を通して、A県内全域の地域状況・子どもの生活実態等を明らかにした。また、A県内で行われた子どもの貧困に関する研究会やシンポジウム・フォーラムに参加し情報を収集するとともに、A県内で生活困窮家庭の子どもたちに対する支援活動を行っている各分野の支援者に対するインタビュー調査を行った。そこで得られた研究成果の一部については、A県内で行われたフォーラムやシンポジウムにおいて報告を行い、教育研究雑誌に論文を寄稿するなどして情報の発信に努めた。 平成27年度の研究成果をふまえ、平成28年度も引き続きインタビュー調査及び調査データの分析を進めるとともに、初年度に入手することができていなかった不足分の資料や新たに刊行された資料の収集・整理を行い、追加の資料分析を行う予定である。最終年度にあたるため、研究成果について学会報告を行うなど、研究成果の社会への発信に努めたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画に沿って課題を追究しているが、進行がやや遅れている。平成28年度にはその分を挽回して調査にあたる予定である。本研究では、地方のなかでもより厳しい状況にあると考えられる郡部における子どもの貧困の実態把握を目的としており、A県内の中核市と山間部・漁村地域を調査対象地としている。平成27年度は中核市における調査が中心となったため、平成28年度は特に山間部・漁村地域での調査を重点的に行う予定である。また、公務と重なったため、当初予定していた学会報告を行うことができなかった。その代りに、A県内にて行われた子どもの貧困に関するフォーラムやシンポジウムに登壇し、研究成果の一部についての発表を複数回行った。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度の研究成果をふまえ、平成28年度も引き続きインタビュー調査及び調査データの分析を進めるとともに、初年度に入手することができていなかった不足分の資料や新たに刊行された資料の収集・整理を行い、追加の資料分析を行う予定である。最終年度にあたるため、研究成果について学会報告を行うなど、研究成果の社会への発信に努めたい。
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Causes of Carryover |
旅費が当初の予定額より少ないのは主に以下の2点の理由による。①平成27年度に参加・報告を予定していた学会が校務と重なり、その分の旅費が生じなかったため。②研究代表者が調査対象地において研究テーマに関する協議会の委員等を務めており、会議や打ち合わせの機会を利用しインタビューや資料収集を行ったため、調査対象地へ赴く際の旅費が生じなかったため。 人件費・謝金が当初の予定額より少ないのは、上記②に関連して、謝礼を支払うことが難しい立場・関係性の人たちに対するインタビュー調査が中心になったためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度は、インタビュー調査を中心に行う予定であり、調査地への訪問回数を当初の予定より増やすなどして使用する計画である。また、平成27年度に参加・報告のできなかった学会への参加を予定しているため、その旅費として使用したい。
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