2015 Fiscal Year Research-status Report
学習者の個別学習データに基づく学習理解・進捗状況を指導者に可視化する手法の開発
Project/Area Number |
15K21249
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
森下 孟 信州大学, 学術研究院教育学系, 助教 (70642528)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 学習分析 / 個別学習 / 学習履歴 / データマイニング / ICT活用教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
個別学習支援システムを用いて学習履歴データを蓄積するために必要な学校教室環境の課題について調査した。学校教員らへの聞き取りや物理的な調査の結果,学習情報端末の新規導入時には,無線LANモジュールの高性能化に伴い,既存無線LAN接続環境に不具合が生じ学習情報端末が接続できなくなる可能性を明らかにした。学習履歴の視覚化にあたってはICT活用環境整備は必須であり,ある程度の年数を経た学習環境下において新たな学習情報端末などを整備する際には,既存環境の見直しを行う必要がある。その際には,無線LAN規格の高度化やネットワーク帯域の見直し,無線LANアクセスポイントの設置場所の再考などがポイントとなることを明示することができた。 続いて,学習履歴データから学習者の学習特性を表示するための,いわゆる学習分析の方法を検討するため,教員養成学部生を対象に,教育実習でのICT活用教育に関するアンケート調査を実施した。その結果,学校現場でICT活用するためには,ICT機器を積極的に活用している学校教諭らの指導を受けることや実習生自身の持つICT機器を用いて体験的に学習する活動が有用であったことが明らかになった。教育実習生らの学習成果は,単純な知識の詰込みではなく,いわゆるトライ&エラーによる体験的な学習活動に基づいていた。学習履歴を視覚化するにあたっては,学習者がどのようなトライ&エラーを繰り返してきたのかを教師が把握することが重要であり,その経緯を視覚化することで学習者の学習特性を学校教員が把握できるようになると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
学習履歴データを収集するための学校教室環境の要件や学習者の学習特性を表示するための必要な要件を明らかにし,任意の学習者の学習履歴を教師画面上で視覚化する機能の設計を行う段階までは完了した。しかし,当初計画にあった既存の個別学習支援システムに実装しその機能を評価する段階は完了していないため,やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
蓄積された学習履歴データから学習者の学習特性や任意の学習者の学習履歴を教師画面上で視覚化する機能を既存の個別学習支援システムに実装する。そして,実際の学校教育現場に導入し,試験運用と評価および機能改良を行う。
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Research Products
(6 results)