2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of novel strategy for suppressing chronic inflammation in adipose tissues utilizing adipose-derived stem cells.
Project/Area Number |
15K21251
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
石田 昌義 近畿大学, 医学部, 助教 (50643251)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 脂肪由来幹細胞 / 間葉系幹細胞 / メタボリックシンドローム / アディポカイン / 2型糖尿病 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度で脂肪由来幹細胞の分離方法の確立と細胞表面マーカーなどの特性解析を行ったので、最終年度では、脂肪由来幹細胞の持つ抗炎症性作用により脂肪組織における慢性炎症を抑制させることができるかどうかについて、試験管内で検討を行った。実験の方法は、3T3-L1由来脂肪細胞に脂肪由来幹細胞の培養上清を30%程度添加して培養を行い、2日後に脂肪細胞からRNAを抽出しアディポカインの発現量を検討したところ、悪玉アディポカインの発現量は有意に減少させたが、善玉アディポカインの発現量は減少させなかった。 以上より、脂肪由来幹細胞より何らかの液性因子が産生・分泌され、それが脂肪細胞より悪玉アディポカインの遺伝子発現を抑制させることが示唆された。 次に、脂肪由来幹細胞がメタボリックシンドローム抑制作用をもつかどうかを検討するために高ショ糖・高脂肪含有餌をマウスに6か月給餌し、2型糖尿病・肥満モデルを作製した。このマウスを2群に分け、偽手術群と脂肪由来幹細胞シートの皮下移植群を行い、2週間後にインスリン負荷試験とグルコース負荷試験を行って糖代謝能の検討を行った。細胞シート移植群で糖代謝能の改善をわずかながら認めた。 今後は、血中の炎症性サイトカイン(悪玉アディポカイン)量、善玉アディポカイン量の測定、臓器における遺伝子発現量などを検証し、脂肪由来幹細胞のもつ新たなメタボリックシンドローム抑制作用について考察する。また、硝酸塩含有量が低い餌で飼育したマウスはメタボリックシンドロームを誘発することも共著として報告したので、このマウスモデルにおける脂肪由来幹細胞の効果なども検討することを考えている。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Long-term dietary nitrite and nitrate deficiency causes the metabolic syndrome, endothelial dysfunction and cardiovascular death in mice2017
Author(s)
Kina-Tanada M, Sakanashi M, Tanimoto A, Kaname T, Matsuzaki T, Noguchi K, Uchida T, Nakasone J, Kozuka C, Ishida M, Kubota H, Taira Y, Totsuka Y, Kina SI, Sunakawa H, Omura J, Satoh K, Shimokawa H, Yanagihara N, Maeda S, Ohya Y, Matsushita M, Masuzaki H, Arasaki A, Tsutsui M.
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Journal Title
Diabetologia
Volume: 60
Pages: 1138-1152
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research