2016 Fiscal Year Research-status Report
観光行動の動態シミュレーションとその地理的可視化の手法構築
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15K21269
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
杉本 興運 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 助教 (40743092)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 観光行動 / 集客圏 / GPS / GIS / 時空間的可視化 / シミュレーション / 東京都市圏 / 移動パターン |
Outline of Annual Research Achievements |
観光行動のシミュレーションモデル構築のため観光者の行動に関する一般的特性や移動パターンの誘発要因に関する知見を得ることを目的とした調査や分析を継続した。まず、東京大都市圏内部の観光地を事例に、各地域がもつ集客圏や観光者特性、観光者の移動パターンと旅行距離との関係などを明らかにするため、当該地域で展開された観光者の人流データを解析した。これにより、居住地と目的地の位置関係に焦点をあてた空間スケールの観光行動を理解するのに必要な知見を得ることができた。また今年度は、特に観光者の個人属性と移動パターンとの分析を詳細に行なったことで、属性別の時空間特性の違いを詳細に把握することができた。次に、東京大都市圏内部に立地する特定の観光地(台東区・上野)を対象に、GPSロガーと質問紙による観光行動調査を行い、観光地内部の空間スケールにおける観光者の移動パターンおよびそれらの誘発要因に関する分析を行った。その結果、来訪目的、来訪頻度、旅行距離、事前知識などによって観光者の移動パターンが異なることが明らかとなった。また今年度は、特に居住地からの距離と観光行動の関係を詳しく分析したところ、それが観光者の活動目的や移動パターンに差異をもたらす大きな要因の1つとなっていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2015年度と同様に取得した大規模データの分析に時間がかかっており、シミュレーションモデルの構築まで至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
2016年度で観光行動データの分析結果に関する研究の学会発表や論文投稿が完了したため、2017年度はモデル構築に主に取り組む予定である。
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Causes of Carryover |
観光行動に関する大規模なデータの分析とそれに関する学会発表や論文投稿を行ったが、シミュレーションモデルの構築まで進展することができず、それに関する経費を使用しなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度はまだ進展の遅れているシミュレーションモデル構築を行うため、次年度使用額は主に専用ソフトウェアの購入、学術書の購入、大規模アンケートなど各種調査(今年度までの調査で把握しきれていない内容について)、学会発表での旅費に使用する。
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