• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2015 Fiscal Year Research-status Report

経済・政治制度の決定要因に関する研究

Research Project

Project/Area Number 15K21290
Research InstitutionOsaka City University

Principal Investigator

岡澤 亮介  大阪市立大学, 大学院経済学研究科(研究院), 准教授 (30707998)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2019-03-31
Keywords制度 / 不平等
Outline of Annual Research Achievements

本研究では、政治・経済制度の決定要因について理論的・実証的に分析することを目的としている。2015年度は下記のような成果を得た。
経済成長にとって制度的要因が重要な役割を果たすことは良く知られているが、なぜ多くの途上国において望ましい制度の発展が見られないかというのは重要な研究課題である。
この問題に取り組むために非民主主義的な政治環境における為政者の行動を定式化する理論モデルの構築と分析をおこなった。理論は為政者の権力維持と短期的なレント追及のトレードオフを分析の中心に据えたものになっており、制度改善を図ることが市民からの支持を通じて権力維持の可能性を高めると仮定している。さらに権力の維持可能性が支持者の数に依存すると仮定したうえで、為政者のトレードオフが市民の経済的不平等によって変化することを示した。
具体的には、市民間の不平等がより大きい場合には、為政者の行動が変化しても支持者数の非弾力的にしか変化しないため、このような状況では為政者にとって制度改善を図ることの便益が小さくなることが示された。不平等と政治的なアカウンタビリティの関係について上記のようなメカニズムを指摘している先行研究はなく、以上の発見は本研究の重要な貢献であると考えられる。
また、理論モデルが明らかにしたメカニズムが現実の制度変遷を理解する上でどの程度説得的なものであるかを検証するために、17世紀イングランドにおける政治制度の変化、20世紀後半の東アジア諸国の開発独裁の事例などについて理論と事例の整合性の検証をおこなった。事例を詳細に検討した結果、現実の政治制度の変化や独裁制のなかでの政策の違いについて、理論の予測と整合的な事実が多く見出され、本研究の提示している理論について信頼性を確認することができた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

上記の研究成果は研究計画の策定段階である程度見通しの立っていたものであるが、
事例研究を加えて研究の妥当性を確認するなど計画当初と比べても重要な進展が得られた。

Strategy for Future Research Activity

今後は上記の研究成果をまとめた学術論文の公刊を目指すとともに、
もう1点研究計画で考えていた資本移動と政治的アカウンタビリティの関係性についての研究に着手することを計画している。

Causes of Carryover

予定していた共同研究者との研究打ち合わせの機会がうまく取れず、オンラインでの議論で代替することが多かったため予定していた旅費を使用しなかった。

Expenditure Plan for Carryover Budget

次年度使用額はわずかであるので、関連書籍の購入などに使用したい。

URL: 

Published: 2017-01-06  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi