2016 Fiscal Year Research-status Report
形態と遺伝子に基づく魚類寄生虫ウオノエ科の分類と幼生期形態の解明
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15K21298
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
山内 健生 兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 准教授 (00363036)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ウオノエ科 / 分類学 / 寄生 / 魚類 / 日本 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本産ウオノエ類の文献記録を整理し、大まかな寄生部位ごとに一覧表を作成した。その 結果、体表に寄生するウオノエ類は4属8種、口腔内あるいは鰓腔内に寄生するウオノエ類は7属23種、そして体腔内に寄生するウオノエ類は1属3で種あり、日本から合計12属34種のウオノエ類が記録されていることが明らかとなった。これまで標準和名の無かった3属と9種に以下の通り標準和名を提唱した:ウオノドウカ属、エビスエラヌシ属、カタウオノエ属、タカベノエ、サカイエビスエラヌシ、ソコダラエラモグリ、オオエラモグリ、カレイノエ、トウザヨリノエ、トビウオエラヌシ、ダツエラヌシ、アンコウハラモグリ。また、6種については以下の通り標準和名を改称した:サッパヤドリムシ→サッパノギンカ、ニザダイヤドリムシ→ニザダイノギンカ、ゼブラヤドリムシ→ゼブラドウカ、コウノヤドリムシ→コウノドウカ、ヤマザトヤドリムシ→ヤマザトドウカ、トビウオヤドリムシ→トビウオヒゲブトウオノエ。 日本で採集された標本に基づいてウオノエ科の新種トリカジカエラモグリElthusa moritakiiを記載・命名した。これは日本産本科における35番目の種である。また、ソコダラエラモグリElthusa propinquaの新宿主記録を報告した。本種は様々な種のソコダラ類に寄生することが明らかとなった。 静岡県と神奈川県において、それぞれダルマガレイ科の1 種(カレイ目)とアゴハゼ(スズキ目:ハゼ科)の体表に寄生するウオノエ類の幼体が撮影されたため、これらについて報告した。その際、日本産ハゼ科魚類へのウオノエ類の寄生記録も整理したところ、寄生ウオノエ類のうち属レベルの同定がなされたものは、ウオノコバン属とエラヌシ属のみであった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日本産ウオノエ科全種のリストを作成すると共に、日本で記録された宿主魚類についてもまとめることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
手元に多数の未記載種、未記録種、新宿主記録の標本が集まったため、まずこれらの記載と発表を急ぐ予定である。
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Causes of Carryover |
論文投稿が思うように進まず、論文投稿料やページチャージとして支払う金額が少なくなったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
論文投稿料やページチャージに多めの金額を使用する予定である。
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Research Products
(3 results)