2016 Fiscal Year Annual Research Report
大腿骨頚部骨折術後患者のリハビリテーションにおける至適栄養量に関する研究
Project/Area Number |
15K21300
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
梅本 安則 和歌山県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (40453188)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 高齢者 / 安静時代謝量 / 蛋白排泄量 / 運動療法 / リハビリテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢大腿骨頚部骨折患者の術後の安静時代謝量を検討する為に、高齢大腿骨頸部骨折術後患者9名の関西電力病院回復期リハビリ病棟入院時の呼気ガス分析装置による安静時代謝量測定、Harris-benedictの計算式による推定エネルギー量を測定し比較分析した。また、窒素出納を検討する為、24時間蓄尿検査による蛋白排泄量を測定した。 入院時の安静時代謝量測定による体重当たりの実際必要エネルギー量は23.9±2.7kcal/kgであった。また、計算式による推定エネルギー量は16.7±1.0kcal/kgであった。安静時代謝量は計算式より算出した推定エネルギー量である基礎代謝量に1.2を乗したものであるため、今回計算した推定エネルギー量を補正し、実際に測定した安静時代謝量と比較した。統計学的な比較上、今回測定した安静時代謝量は計算された推定エネルギー量の補正値より有意に高い値であった。 また、入院時の尿からの1日蛋白排泄量は0.6±0.3g/kg/dayであった。これは、尿以外の窒素喪失を考慮に入れれば、窒素平衡に必要と考えられている0.68g/kg/dayの蛋白摂取量では、窒素平衡が負になると考えられる。これらの入院時安静時代謝量と窒素排泄量から、元来推定される基礎代謝量と蛋白摂取量から計算された栄養摂取では、低栄養・骨格筋量が進行する可能性がある事が示唆された。 主研究者が海外留学のため、上記の安静時代謝量と蛋白排泄量を基にした栄養設定群における運動療法経過中の2週間毎の骨格筋量、安静時代謝量、血清栄養指標、窒素排泄量、運動機能の経時的変化を測定する事ができなかった為、今後行なっていく必要がある。
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