2018 Fiscal Year Annual Research Report
Basic Study for Semantic Constraints and Inference in Consecutive Interpreting
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15K21303
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Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
南津 佳広 大阪電気通信大学, 共通教育機構, 准教授 (70616292)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 逐次通訳 / 語用論的処理 / 意味論的制約 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は、延期していた逐次通訳の実験を行った。通訳経験10年以上のプロの通訳者9名に依頼して、英日と日英の両語間でインタビューの通訳メモ付きの逐次通訳を行ってもらった。その様子を録画して録音した。通訳者が一連の通訳を終えたあと、通訳者にメモを参照しながら訳出を内省してもらった。また、実験結果は、原発言と通訳メモ、訳出の3つを同期化してデータ化している。
データを精査していると、通訳者は原発言の語彙概念を手掛かりに、意味論的な緊張関係から訳出に語用論的に制約をかけざるを得ない場面ではメモを取るパタンととらないパタンが散見され、語用論的に任意に制約をかけている場面ではメモを取っている可能性が高いことがこれまでのところ明らかになっている。意味論的処理よりも語用論的処理のほうが認知的な処理負担が高い可能性がある。この見解を踏まえて学会発表と論文投稿の準備を進めている。
また、2017年度に引き続き、この通訳メモを英語教育に導入する試みも継続した。メモと発話を比較して、学習者は言語産出において文法的正確さより語用論的な的確さを優先させている様子がうかがわれた。また、語彙概念を手掛かりにした意味論的な制約はメモをしていたが、語用論的な制約はほぼ行っていなかった。その結果については、国内学会・研究会での発表2回、国際会議で発表を1回行った。
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Research Products
(3 results)