2016 Fiscal Year Research-status Report
中山間地域在住高齢者の援助要請行動に関する調査研究
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15K21304
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Research Institution | Niimi College |
Principal Investigator |
矢嶋 裕樹 新見公立大学, 看護学部, 准教授(移行) (00550469)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 援助要請 / 高齢者 / 中山間地域 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、中山間地域に居住する高齢者の援助要請行動およびその関連要因を明らかにすることを目的としている。平成28年度は、次のことに取り組んだ。1. 中山間地域である岡山県A市を調査対象地域に選定し、国勢調査データにより、A市の小地域(町字単位)54地区の性別・年齢別65歳以上人口を把握した。次に、A市選挙管理委員会の許可を得たうえで、選挙人名簿抄本より各地区の高齢者の1/10(抽出人数5~141人)、計1,182人を調査対象者として無作為抽出した。2. 文献レビューやインタビュー調査の成果を踏まえ、本調査に使用する質問紙を作成した。質問紙は、調査対象者の基本的属性に加え、援助要請意識(援助要請先や被援助志向性)、その心理的・社会的要因と考えられる首尾一貫感覚(Sense of Coherence:SOC)やソーシャルキャピタル(社会関係資本)に関する項目・尺度で構成した。3.研究計画書を完成させ、それをもとに2月に所属機関の研究倫理審査を受審した。翌3月に所属機関の倫理委員会より研究実施の承認が得られたため、次年度4~5月にかけて、抽出された計1,182名の高齢者に対して郵送法による質問紙調査を実施する予定である。4.援助要請研究の観点から、既存の調査データを分析した。その結果、移動能力が低く、閉じこもっている状態にある高齢者において、主要な援助要請先である友人ネットワークの規模が小さいこと、実際に受けた社会的サポートが少ないこと等が明らかとなった。これらの結果は10月に開催された日本公衆衛生学会にて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
偏りのないデータを収集するため、当初計画していた質問紙調査の実施方法を留置法から郵送法に変更した。また、回収率を50%と見込み、調査対象者の人数を600人から1,200人に変更した。こうした変更に伴い、当初計画になかった作業(質問紙の宛名印刷、封入、発送等)に多くの時間を要し、計画の遂行に遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
質問紙調査を実施する準備が整ったため、次年度早々に質問紙調査を実施する。また、データ入力等に複数のアルバイト学生を動員し、進捗の遅れを取り戻す。本研究以外の業務の多忙化に備え、研究協力者を確保し、その支援を受けながら計画通り研究を進めていく。
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Causes of Carryover |
質問紙調査の実施方法および調査対象者数の変更に伴い、当初計画になかった作業が必要となった。そのため、進捗に遅れが生じ、質問紙調査の実施が次年度に繰り越された。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額は、次年度に繰り越された質問紙調査にかかる経費やデータ入力等のアルバイトの人件費に充てる予定である。また、計画通り、成果発表に伴う旅費や論文投稿費、英文校閲費として使用する予定である。
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