2015 Fiscal Year Research-status Report
社会環境要因が高齢者の身体活動および健康寿命延伸に及ぼす影響
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15K21316
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Research Institution | Hokkaido Bunkyo University |
Principal Investigator |
佐々木 幸子 北海道文教大学, 人間科学部, 助教 (10612294)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 介護予防 / 身体活動 / 社会環境要因 |
Outline of Annual Research Achievements |
【背景と目的】高齢者の日常生活自立度の維持において、身体活動の促進は極めて重要である。しかし加齢に伴う身体活動量の低下は極めて多様な要因により生じ、個人の生活習慣や心身機能のみならず社会環境要因が相互に影響しているものと考えられる。そこで、本研究では、社会環境要因の一つであるソーシャルキャピタルが高齢者の身体活動に与える影響について、個人の生活習慣、体力的要素、ならびに認知機能との相互作用の観点から明らかにすることを目的としている。【方法と結果】調査にあたり、対象地域 A 町の行政担当者、町立診療所職員らとともに調査項目の決定、調査実施方法に関する打ち合わせを入念に行った。その後、平成 27 年 5月- 8 月に A 町在住の高齢者男女約 800 名に自記式調査票による調査を実施した。調査項目はソーシャルキャピタル、身体活動(世界標準化身体活動質問票 global physical activity questionnaire; GPAQ)、年齢、性別、既往歴、喫煙習慣、飲酒習慣、栄養状態、睡眠、教育歴、世帯構成、職業歴、外出手段、うつ状態などとした。さらに自記式調査票調査に協力した約 300名を対象として平成 27 年 8 月- 11月に集合型調査を実施し、三軸加速度センサー内蔵活動量計による身体活動量評価を 2 週間行った。活動量計の使用方法ならびに回収方法については対面による説明を行い、加速度計の装着時間を算定するために1日の活動記録票の記載を依頼した。同時に身長、体重、膝伸展筋力、握力、立位時の重心動揺検査、体組成、骨密度評価ならびに MMSE(Mini Mental State Examination)、Frontal Assessment Battery (FAB)による対面式認知機能検査を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成 27 年度は自記式調査票調査では、約 800 名を対象として予定通りの調査を行った。集合型調査では、身体活動量評価において加速度計の装着率が推定より低かったものの、おおむね予定通りの参加率であった。現在、A 町行政、医療機関と協力し、追跡調査の準備を進めている。以上のことから、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成 28 年度は、ソーシャルキャピタルと身体活動の関連について横断的に検討を行う。本研究では、筋力やバランス機能、認知機能、栄養状態、睡眠、体組成といった加齢による機能低下に関わる種々の項目について評価を行っており、これらの要因がソーシャルキャピタルと身体活動との関連に及ぼす影響についても検討を実施する。さらに、自治体より死亡・転出・介護認定に関する情報の提供を受け、追跡調査を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
当初、認知機能検査については調査員の雇用を予定していたが、専門性が高い内容であり研究協力者が検査を担当したため、人件費・謝金を要さなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
英語論文作成時の校閲費用に充てる。
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