2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K21325
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Research Institution | Hakuoh University |
Principal Investigator |
荒井 信成 白鴎大学, 教育学部, 講師 (10706360)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ネット上のいじめ / レジリエンス / 青少年 |
Outline of Annual Research Achievements |
携帯電話やスマートフォンの急激な普及に伴い,ソーシャルネットワークサービスなどのインターネット上のいじめ(以下,ネット上のいじめ)は近年問題視されている。この問題は,子どもたちの精神的苦痛になっており,喫緊の課題の一つとして挙げられる。しかし,ネット上のいじめ被害という困難な状況を乗り越え,心身共に健康である子どもも存在する。このような心理社会的特性をレジリエンスと言い,近年あらゆる分野において研究がなされている。本研究では,ネット上のいじめ被害者のレジリエンスに着目し,特にネット上のいじめを克服した者の心理社会的特徴を明らかにすることを目的とした。 平成27年度は,これまで日本国内で行われてきたネット上のいじめに関する研究を文献レビューし,整理した。これまでのネット上のいじめ研究から,本調査で使用する質問項目の選定を行なった。質問紙の構成は概ね決定した。文献レビューの結果については,平成28年度に学会発表,論文投稿を行なう予定である。 調査で使用するレジリエンス尺度についても,文献レビューを参考に選定を行なった。本調査の対象となる青少年向けに開発された尺度,かつ対象者の負担の少なさ,妥当性と信頼性の高さを選定条件とした。その結果,本調査で使用する尺度を概ね決定した。 尺度の選定と並行し,平成27年度は本調査(平成28年度)のためのフィールドの選定と確保を行なった。国内の中学校,高等学校へ調査依頼し,現在検討いただいている段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画の段階では,予定していなかったが,国内のネット上のいじめ研究について文献レビューを行い,ネット上のいじめの実態や特徴,その関連要因についてまとめた。文献レビューの結果を参考にし,本調査で使用する質問項目の選定も順調に進んでいる。 また,研究代表者自身が過去に行なった高校生約700人対象の調査データを基に,本調査で使用する尺度の妥当性・信頼性の検討を行い,選定が完了した。 本調査を実施するフィールドの確保のため,国内の中学校,高等学校に調査依頼を行っているところである。翌年度の本調査に向け,おおむね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度に実施した文献レビューの結果を,今後学会発表や論文投稿で公表していく予定である。また,この文献レビューの結果から決定した本調査で使用する質問項目(ネット上のいじめ被害経験,レジリエンス尺度など)を用いて,平成28年度は本調査を実施する予定である。本調査は,研究の目的や具体的な質問内容,調査の進行方法について説明を行い,調査協力が得られた学校を対象校とする。本調査で得られたデータは大学生または大学院生に入力作業を依頼する。分析作業は研究代表者が行い,研究成果を学会で発表し,他の研究者からの指摘を参考に,論文投稿の執筆を行なう予定である。
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Causes of Carryover |
研究計画の変更に伴い,平成27年度に実施予定であった予備調査未実施のため,予備調査用質問紙の印刷費用,データ入力機材購入費,データ入力人件費等を使用しておらず,次年度使用額が生じている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度は予備調査と本調査実施のため,それに係る質問紙作成費用や質問紙送付費,データ入力機材購入費を計上している。また,得られた調査データの入力を大学生または大学院生に依頼するため,人件費の費目が多くなっている。 予備調査を含め,本研究成果の公表にかかる論文投稿料や英文校閲,報告書作成費などの経費を計上している。
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Research Products
(3 results)