2017 Fiscal Year Annual Research Report
Psychosocial features of cyberbullying survivors
Project/Area Number |
15K21325
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Research Institution | Hakuoh University |
Principal Investigator |
荒井 信成 白鴎大学, 教育学部, 准教授 (10706360)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | いじめ / レジリエンス / SNS |
Outline of Annual Research Achievements |
携帯電話やスマートフォンの急激な普及に伴い,ソーシャルネットワークサービスなどのインターネット上のいじめ(以下,ネット上のいじめ)は近年問題視されている。 本研究プロジェクトでは,主にネット上のいじめに関するレビュー調査と質問紙調査を行なった。 レビュー調査の目的は,ネット上のいじめに関する研究の動向と課題を把握することである。59本の文献を分析した結果,ネット上のいじめ被害経験割合は中学生7.0%-29.7%,高校生4.5%-21.5%と研究手法や質問項目,対象集団によって大きな開きが生じていた。現在ネット上のいじめの様態が急速に変容しており,その定義がいまだ定まっていないことが明らかになった。海外の研究ではネット上での嫌がらせを複数回受けた場合をネット上のいじめと定義しているものもあり,時代の趨勢を見極める必要がある。ネット上のいじめに関する研究の多くは,高校生などの青少年を対象とした量的研究であった。 本プロジェクトにおける質問紙調査の目的は,ネット上のいじめ被害を克服した青少年の心理社会的特徴を明らかにすることである。本研究プロジェクトでは,ネット上のいじめ被害を受け,学校を休むに至ったが,再び学校に通い始めた青少年をネット上のいじめ被害克服者とした。調査した結果,過去にネット上のいじめ被害を受けた高校生は39名(13.0%)おり,ネット上のいじめが経験で現在学校を休んでいる者は8名,以前休んでいた者は29名いた。ネット上のいじめを目撃した者は42名(14.0%)であった。 心の弾力性と訳され,ストレス環境下でも上手く適応するための精神的機能とされているレジリエンスとネット上のいじめ被害経験や学校を休んだ経験との関連を検討した。その結果,レジリエンスが高い者はネット上いじめの被害を受けても,学校を休まない傾向,または一度学校を休んでも復帰する傾向がみられた。
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Research Products
(1 results)