2019 Fiscal Year Research-status Report
発達に困難を抱える児童・生徒への自然体験療法-身体の感覚と不器用さに着目して-
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15K21337
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
吉松 梓 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 講師 (90508855)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 自然体験療法 / キャンプ / ボディイメージ / 身体感覚 / 身体的自己概念 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、発達に困難を抱える児童・生徒を対象に、長期継続的な自然体験療法プログラムを開発・実践し、身体感覚や不器用さという”身体”の側面からその効果および治療的意味を検討することである。2019(令和1)年度は、主に以下について重点的に研究を進めた。 まず、研究課題1「長期継続的な自然体験療法プログラムの開発とアセスメント方法の検討」については、前年度までに作成したボディイメージに関する3尺度(PSDQ-J、青年期前期用身体感覚尺度、社会的体格不安尺度)について成果をまとめ、3尺度に関する学会発表を行い、青年期前期用身体感覚尺度および社会的体格不安尺度に関する論文が掲載された。 次に、研究課題2「量的手法 (ボディ・イメージ・アセスメント尺度)による自然体験療法プログラムの”身体”の側面への効果測定」については、前年度のデータ数を補完するために引き続きデータ収集を実施し、十分なデータ量が得られた。その上で、データを分析した結果、自然体験療法プログラムは、青年期前期用身体感覚尺度の内の体調の理解や感情に関連する身体感覚、PSDQ-Jの内の運動能力や健康、身体満足感に関する評価に有意な影響を及ぼしていることが明らかになった。現在、この成果をまとめて学会発表および論文投稿の準備をしている段階である。 研究課題3「質的手法による自然体験療法プログラムの”身 体”の側面への治療的意味」についてはすでに前年度までに、成果発表および論文掲載を終えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019(令和1)年度は、本研究課題の最終年度であった。前年度にデータ数が十分に得られたなかった研究課題2「量的手法 (ボディ・イメージ・アセスメント尺度)による自然体験療法プログラムの”身体”の側面への効果測定」のデータ収集や分析までは概ね順調に進めることでができた。しかしながら、年度後半の11月から3月まで産前産後の休暇および育児休業を取得したため、研究成果の発表および論文投稿までは完了することができなかった。これらの状況を踏まえて「やや遅れている」と判断した。 なお、本研究とは別の研究課題への応募申請を行ったため、本研究課題において産前産後の休暇および育児休業に伴う補助事業期間延長承認申請は行わず、補助事業期間延長承認申請(F-14)の提出により期間の1年延長を申請した。
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Strategy for Future Research Activity |
2020(令和2)年度は、前年度までに完了しなかった研究課題2「量的手法 (ボディ・イメージ・アセスメント尺度)による自然体験療法プログラムの”身体”の側面への効果測定」の研究成果の発表および論文投稿を実施し、研究課題1から3の総合的な考察と最終的な報告書の執筆を行う計画である。
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Causes of Carryover |
(理由) 2019(令和1)年度は産前産後の休暇および育児休業取得のため、およそ5ヶ月間研究を中断した期間があった。このため、研究全体の進行にやや遅れが生じ、論文投稿にかかる諸費用(英文校正・別刷り印刷等)や最終的な報告書の作成費用等を見合わせた。また、研究中の期間においても妊娠中の状況のため、研究成果発表や打ち合わせのための旅費等の一部で使用しないものがあった。これらの理由により、次年度の使用額が生じた。 (使用計画) 2020(令和2)年度は、研究課題2「量的手法 (ボディ・イメージ・アセスメント尺度)による自然体験療法プログラムの”身体”の側面への効果測定」の研究成果の発表および論文投稿を実施し、研究課題1から3の総合的な考察と最終的な報告書の執筆を行う計画である。そのために、次年度使用額のおよそ250千円を以下の内訳で使用する計画である。 1)物品費50千円(研究論文・図書等30千円、文具等20千円)、2)旅費100千円(研究発表旅費50千円、研究打ち合わせ50千円)、3)人件費・謝金0千円、4)その他100千円(英文校正50千円、別刷り印刷50千円)
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