2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of skill training systems using visualized skilled-work motion and its effect on product quality
Project/Area Number |
15K21353
|
Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
肥田 拓哉 青山学院大学, 理工学部, 助教 (70748326)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 科学教育 / 技能訓練 / 塗装作業 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本の中小製造業では,生産技術体系の変化や技能者の世代別構成の不均衡化を背景として,技能継承が課題となっている.本研究で対象とする塗装作業は,ミクロン単位の精度で製品を仕上げる必要があり,技能習得には多くの時間がかかる.現在,製造現場では熟練者が未熟練者に付いて,自らの経験と勘・コツを指導するOJTを実施している.しかし,OJTによる訓練では,訓練者が作業の動きに慣れただけであり,適正な作業をしているかを明確に判断することはできない.そこで本研究では,人の手による熟練作業における技能を定量化し,技能と製品の品質の関係を明らかにすることで,未熟練者に対する技能訓練システムを開発することを目的とした. 本年度は本研究の最終年度であり,当初の計画通り,技能訓練システムの開発を実施した.このシステムは,①技能評価,②技能診断,③訓練実施の3つの要素から構成されている.①のシステムでは,これまでの研究で形式知化した熟練者の作業動作から訓練者の手本となる規範動作を作成し,訓練者の動作がどれだけ熟練者の動作に近いかを模倣率で評価する.さらに,塗装品質を評価するために,訓練動作により塗布された擬似塗料(パーティクル)が実際にはどれだけの膜厚になるかを変換する機能も実装した.②のシステムでは,規範動作および訓練者の動作の軌跡を表示することで,被訓練者が直感的に適正な動作を学習できる.さらに,訓練時のモーションデータから熟練者の動作との違い提示し,作業要素ごとにアドバイスを表示する機能も実装した.③のシステムでは,訓練者の熟練度を評価し,熟練度に合った訓練方法を提示する.なお,これまでの研究内容について研究論文を執筆し,現在投稿中である. 本研究を通して,塗装作業における熟練者の技能を形式知化し,技能が製品の品質に与える影響を解明した.そして,初級者が単独で実施可能な技能訓練システムを開発した.
|