2019 Fiscal Year Annual Research Report
Study on therapeutic effect of integrated approach in people who stutter
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15K21358
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
秦 若菜 北里大学, 医療衛生学部, 助教 (50448958)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 吃音 / リハビリテーション / リハビリテーション効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
吃音とは、音や語の繰り返し、ブロックと呼ばれる発話の中断などを主症状とする発話の障害の一つである。本邦では言語聴覚士による成人吃音者のリハビリテーションを行う事ができる施設は少なく、広く吃音者に効果的な言語聴覚療法を提供するまでには至っていない。今後の吃音臨床においてリハビリテーションの効率性やリハビリテーションの質の向上を図るうえで、吃音者の吃音重症度や実際の治療期間、治療回数を調査し、吃症状の改善の様相を明らかにすることは、吃音治療の重要な基礎データになると考えている。そこで、本研究は吃音者に対し統合的アプローチを用いたリハビリテーションを実施し、実施前評価・実施後評価を比較して、吃音の症状および吃音者自身の主観的な評価に変化がみられるのか、その変化はどの程度であるかを検証する。さらに、吃音者のリハビリテーション実施前の吃症状およびその他の背景因子とリハビリテーション終了時の吃症状・リハビリテーション実施期間・回数との関連性の有無を明らかにすることを目的としている。 2017年9月から参加者のリクルートを開始した。2020年3月現在、80名の同意を得た。各参加者の初回評価を実施し、基本情報の収集を行った。参加者の内、30名はリハビリテーションが継続され、中間評価および最終評価を実施した。音声解析をい、初診時とリハビリテーションを3回実施した後の音読発話の群平均の差を比較した。初診時は頻回な休止を伴い、1フレーズが短い発話パタンであった。3セッション後には休止回数が19.9回から11.7回へ、総休止時間が9.5秒から5.0秒へ、吃頻度が13.4%から0.6%へと変化し、それぞれ有意に減少した。総音読時間は28.5秒から39.0秒へと有意に延長し、音読速度が低下した。3回のセッション後に、吃頻度の減少と共に発話パタンが変化する点で統合的アプローチの有効性が示唆された。
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