2017 Fiscal Year Research-status Report
内科学領域における医事紛争の実態分析と対策案の導出に関する研究
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15K21382
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
大滝 恭弘 帝京大学, 医療共通教育研究センター, 准教授 (60464004)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | クローズドクレーム / 医療事故 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は日本における病院・医師賠償責任保険のリーディングカンパニーである損保ジャパン日本興亜社の協力のもと、平成16年~26年の10年間に同社東京支社で処理されたクローズドクレーム(法的に決着のついたクレーム)を対象に行われた、本邦初のクローズドクレーム研究である。平成29年度は、第1に、平成27・28年度に整理・分類したリウマチ膠原病分野のクローズドクレームの分析を終え、その結果をまとめ、論文として報告した。第2に、平成28年度に整理・分類を開始した呼吸器分野のクローズドクレームの分析を進めた。具体的には、病院の規模や担当医の経験年数、患者の年齢や性別、疾患名(ICD-10)や事故場面、主張、争点、過失認定などにより事案を整理・分類した。現在、結果を分析中である。また、本研究の開始後、平成27年10月から、医療安全調査機構の指揮のもとで医療事故調査制度が開始された。医療安全調査機構は、平成29年度末時点で3つの医療事故の再発防止の向けた提言を報告している。第1号の「中心静脈穿刺合併症に係る死亡の分析―第1報―」で報告された死亡事例には、機構の分析でいくつかの特徴がみられた。そこで、研究初年度及び二年目の経験をいかし、第3に、中心静脈穿刺という手技の点から、新たな切り口でクローズドクレームの整理・分類を行った。中心静脈穿刺に関連した事案の抽出を終え、こちらも現在分析中である。今後は、さらに別の切り口を考察して、クローズドクレームの整理・分類・分析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年度当初の計画よりも呼吸器分野のクローズドクレームの分析に時間を要したが、概ね予定した計画に沿って進行した。中心静脈カテーテルのクローズドクレーム分析は抽出・分類・分析は概ね予定通りであった。
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Strategy for Future Research Activity |
各クローズドクレームの分析とともに、新たな切り口からのクローズドクレーム分析を計画している。
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Causes of Carryover |
平成29年度は大きな物品の購入がなかったため、次年度使用額が生じた。平成30年度はテキストマイニングソフトなどの物品の購入予定があり、所要額限度まで使用する見込みである。
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