2015 Fiscal Year Research-status Report
単純糖質摂取量の推定とその糖尿病・死亡リスクとの関連及び寄与度の推定
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15K21389
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
後藤 温 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (80644822)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 炭水化物 / 糖質 / コホート研究 / 糖尿病 / 肥満 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本食品標準成分表2015年版(七訂)「炭水化物成分表」が平成27年12月25日に公表され、我が国で常用される重要な食品(854項目)について、でんぷん、ブドウ糖、果糖、ガラクトース、ショ糖、麦芽糖、乳糖、およびトレハロースの成分値が収載された。 本研究課題において平成27年度は、多目的コホート研究(JPHC study)の5 年後調査における食物摂取頻度調査票(FFQ)で調査した147項目の食品や飲料水のうち、「炭水化物成分表」に収載された89項目に対して、炭水化物の成分値を付与した。そして各食品や飲料水の摂取頻度と各炭水化物の成分値を乗じたものを合算することにより、各炭水化物の摂取量を計算した。さらに、単糖類(ぶどう糖、果糖、ガラクトース)と二糖類(しょ糖、麦芽糖、乳糖)の摂取量を合計し単純糖質摂取量を計算した。 予想以上に「炭水化物成分表」に収載されていた項目数が多く、主要な食品や飲料水について、各炭水化物成分値を付与することができた。収載されていない項目の多くは炭水化物の含有割合が低い食品や日常的に摂取量の少ない食品であり、摂取量推定にあまり影響しないものと思われた。したがって、摂取量の推定値は比較的信頼性の高いものと思われる。しかし、FFQで調査され、「炭水化物成分表」に収載されていない項目のなかには、赤色辛みそやはっさくなど、炭水化物含有割合が高い食品もあり、これらの食品については同科・同属の食品の成分値を用いた代替など、摂取量推定の改善の余地がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日本食品標準成分表2015年版(七訂)「炭水化物成分表」が平成27年12月25日に発表されるまでは、既存研究の収集・調査を行った。 「炭水化物成分表」の発表後、多目的コホート研究(JPHC study)のFFQを用いて、各炭水化物、単純糖質、複合糖質の摂取量の計算を行った。予定していたFFQによる摂取量推定の再現性・妥当性調査は平成28年度前半には完了する予定である。 「炭水化物成分表」が公表され、摂取量を推定するのに十分な情報が収載されていることも確認できたため、概ね順調に進捗していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
(1) 炭水化物細分類の摂取量推定の再現性・妥当性調査 平成27年度に引き続き、FFQによる摂取量推定の再現性・妥当性調査を行う。 (2) 単純糖質の摂取実態の把握 年齢・性別などで対象者を分け、炭水化物細分類の摂取量(g/日)や1 日の摂取エネルギーに占める摂取量の割合(%エネルギー比)の統計値(平均値、中央値等)を求める。 (3) 肥満・血糖値との関連解析 炭水化物細分類(とくに単純糖質摂取量)を曝露因子として、肥満・血糖値との関連を横断的に解析する。
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Causes of Carryover |
「炭水化物成分表」の公表が平成27年12月となったため、当初予定していた額よりも少額の支出となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に繰り越しとなった411,587円は、当初の予定通り、妥当性・再現性調査およびデータベース構築のための費用に使用する予定である。
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