2017 Fiscal Year Annual Research Report
Pattern-recognition-based selection of optimal financial indicators for bankruptcy / delisting prediction
Project/Area Number |
15K21395
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
保坂 忠明 東京理科大学, 経営学部経営学科, 講師 (60516235)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 倒産予知 / 実質破綻予知 / 機械学習 / AdaBoost / 深層学習 / 画像化 / 畳み込みニューラルネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度にあたる29年度では,企業の倒産(実質破綻)予知に対して深層学習,特に畳み込みニューラルネットワークの適用を試みた.日本の株式市場である東証一部・二部にこれまでに上場し実質破綻により上場を廃止した102社の財務諸表および,現在も上場している2062社の継続企業の貸借対照表および損益計算書を4期に渡って収集し,それらを分析対象とした.提案手法では,ひとつのデータ(ある会社のある年度の財務諸表)から算出可能な財務比率の集合を1枚のグレイスケール画像で表現する.さらに任意の2期の財務諸表に対して加重平均処理を施すことでデータ数を増やす.倒産企業,継続企業としてそれぞれ7520個の画像データを用いてGoogle社が提案し画像認識分野で高い精度を示した畳み込みニューラルネットワークを学習させる.学習により生成されたネットワークを用いた倒産予知は,従来の機械学習手法と比較して高い性能を示した. 研究期間全体を通した主要な成果は,1)AdaBoostと呼ばれる機械学習アルゴリズムを利用した財務指標選択の方法の提案,2)複数の年度の財務データを用いることで早期の倒産予知に有効な財務指標の提案,3)財務データを深層学習に適用することによる倒産予知精度の向上,などである.これらをもって当初の目標は十分に達成できたと判断する. 本研究で提案した財務指標選択の方法は,倒産予知以外の財務分析にも汎用的に適用することが可能であり,また財務データを画像として表現するための提案方法は財務データ以外の一般の数値データへの適用も可能である.このように本研究の成果は倒産予知という限定されたテーマにのみ有効なわけではなく,それ以外の研究にとっても有用な示唆を与えている.
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Research Products
(3 results)