2018 Fiscal Year Research-status Report
大規模データストリーム解析高速化に向けたベンチマークセットの構築
Project/Area Number |
15K21423
|
Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
秋岡 明香 明治大学, 総合数理学部, 専任教授 (90333533)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | ベンチマーク |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、通常のアプリケーションの挙動とストリーミングアプリケーションの挙動の違いを明確にするために、通常のアプリケーションを念頭に置いたベンチマークスイートとして代表的存在であるSPECについて、詳細なプロファイリングを行なった。SPECは、ハイパフォーマンスコンピューティング分野で長年使われてきたベンチマークスイートであるが、頻繁にアップデートが行われている。近年では、SPEC発表当初と比較してハードウエアが格段に高性能化・高機能化していること、また、SPECは一部の科学計算やCPUセントリックなアプリケーションに偏りすぎているとの批判などがあり、こうしたベンチマークは非現実的であるとの見方も多かった。しかし、最近のアップデートにより、SPECも多様なアプリケーションを念頭に置いたアプリケーションが充実しており、GPUなどの高機能なハードウエアを利用した場合の最適化などにも対応している。現バージョンでも、ストリーミングアプリケーションへの対応は不十分と言えるが、ストリーミングアプリケーションと比較を行うアプリケーションセットとしては十分なものであると判断した。
また、近年では、オンプレミスで計算環境を持つユーザが少ないことも念頭に置き、クラウド環境でのベンチマークを行なっている。クラウド環境は他のユーザとの共用利用が前提であることや、主に負荷分散を目的としたインスタンス移動などがバックエンドにより実施されることから、主に実行時間について再現性が薄い。従って、ベンチマーク結果の収集手法についても工夫を行なった。こうした成果は、2019年度中に国際会議や論文誌にて発表を行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究以外の業務負荷が予想以上に大きく、研究のための時間を殆ど確保することができなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究時間については、今年度も劇的な改善を見込むことはできないため、問題をより絞り込んで、限られた研究時間でも進めることができるように研究計画を変更する予定である。
|
Causes of Carryover |
研究計画と比較して研究の遂行が極度に遅れているため、研究期間を延長して引き続き課題に取り組むことにした。
|