2015 Fiscal Year Research-status Report
男女平等社会実現を促す文化活動のコーディネーターの力量に関する研究
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15K21432
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
矢内 琴江 早稲田大学, 文学学術院, 助手 (60732667)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | フェミニズム / アート |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、カナダ・ケベック州におけるフェミニズム・アートのギャラリーのコーディネーターに着目し、男女平等の視点からの文化活動の展開を促すことに求められる力量を明らかにすることである。 今年度の研究目的は、事前調査として、①ケベック州における文化活動のコーディネーターの養成と研修に関する状況の把握、②ケベック州のフェミニズム・アートのギャラリー、「ラサントラル/ギャルリー・パワーハウス」についての事前調査を予定していた。そして、本調査として、現地に行き、ラサントラルのコーディネーター、運営に関わるメンバーたちへのインタビュー調査を予定していた。 今年度の研究実績としては、以下のものがある。 ①ケベック州のアーティスト・ラン・センターのスタッフの教育を担う「ケベック州アーティスト・ラン・センター協会」が出版するギャラリーのコーディネーターに向けた、組織作り、運営のためのマニュアル、辞書を購入し検討した。②フェミニズム・アートの周辺の実践を調査し、女性たちの文化活動のコーディネートする成人教育実践者たちの力量について検討した。その成果については、「ケベック研究」(第7号)、「社会教育学研究」(第51巻2号)にまとめた。③申請者が、これまでに入手したラサントラルの資料(設立時の手書きの議事録、設立当初の文書、ニュースレーター等)を電子化し、整理した。④これらに加えて、申請者が既に研究を進めてきた、ラサントラルが刊行するドキュメントが果たす組織学習論の観点からの役割と機能についての研究を進め、その成果をまとめた論文は、小林富久子・村田晶子・弓削尚子編『ジェンダー研究/教育の深化のためにー早稲田からの発信』に発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2015年夏より、体調を崩したため、自宅療養をしていた。そのため、研究活動、とりわけ本調査での海外現地調査を実施することが不可能となった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策として、下記のものを予定している。 ①現地調査 コーディネーターへのインタビュー調査を実施する。当初の予定では、海外調査は、2回を予定していたが、1回とする。そのかわりに、滞在期間を延長し、インタビュー協力者の実践領域やキャリアの多様性を研究に反映させるために、より多くのフェミニズム・アートのコミュニティに関わる実践者へのインタビューを試みる。 ②記録化 インタビューの内容を記録化し、フランス語とフランス語でインタビュー記録集を作成する。実践者たちの経験の多様性を可視化させる。 ③記録の分析 インタビュー協力者たちの経験に共通する、コーディネーターとしての働きを支えている共通の諸要因、条件の抽出する。
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Causes of Carryover |
昨年度、体調不良のため、病気療養をしていたので。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
①旅費への使用:海外での現地調査の期間を当初予定していた10日間から、3~4週間に延長することとした。;これまでの研究成果を、国内学会で発表するための国内旅費を計上した。②消耗品:海外での調査期間を延長するので、海外滞在時の研究環境を整えるために、持ち運びが可能で、かつ丈夫なノートパソコンの購入を予定している。③人件費:インタビュー内容の文字起こしのために、フランス語のネイティヴ話者をアルバイトとして雇用し、協力者を依頼する。④その他:記録集を冊子として配布可能にするための印刷費を計上する。
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Research Products
(3 results)