2018 Fiscal Year Research-status Report
包括的アプローチによる分位数回帰の有効推測とその応用
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15K21433
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Research Institution | Tsuru University |
Principal Investigator |
谷合 弘行 都留文科大学, 教養学部, 特任准教授 (40579653)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 分位数回帰 / セミパラメトリック / 経験確率過程 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では「分位数回帰モデルの有効推定」を起点として、その応用について取り組んでいる。起点としている有効推定では、分位数回帰モデルの母数は関数として捉える必要があることに着目して、関数空間での考察を与えている。具体的には混合分布モデル(mixture model)とZ推定量の理論から捉え直すことで、より包括的な枠組みの下で統計的推測の有効性を求めた。 本年度は、昨年度から引き続き「large p, small n」という高次元小標本データの分析への応用に取り組んだ。ただし、一般的な状況下での結果というよりは、特定の設定下での金融分野での数理計画問題に限定して、その解の統計的な改善を試みた。すなわち、いわゆるコヒーレント性を持つリスク尺度で測ったポートフォリオの構成をより効率的に行う手法を提案した。この導出に際しては、既存の経験確率過程の結果を援用するため、分位数回帰モデルと双対な関係にある回帰順位スコア(regression rank score)を用いるアプローチという形を取ることができる。 そのような手法から当該ポートフォリオ問題にアプローチし、バンクーバーでの「JSM 2018」に参加した。JSMでの情報収集などを基に、いくつか残されている課題をクリアして、より一般的な応用ができる形に改善していく予定である。またそこで、本研究の基礎となっている初年度に得た結果について、より簡明な表現と一般化ができることも判明したので、その方向でこれまでの結果も含めて再調整している所である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
正確を期するために幾つか精査すべき箇所はあるが、応用などと並行して進められる性質のものであるので、全体としては予定通りの進展と言える。
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Strategy for Future Research Activity |
基礎となる結果の整理および雑誌投稿も進めて、高次元小標本データに関する結果についてもより一般的な応用ができる形に改善していく予定である。並行して「研究実施計画」に記載した他の応用についても進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
購入予定の統計処理ソフトについて、バージョンアップのタイミングや他社製品との比較により本年度の購入を見送ったことによる。統計処理ソフトに限らず、ソフトウェアなどを適切なタイミングを見極めて購入する予定である。
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