2015 Fiscal Year Research-status Report
高齢者における座位行動・身体不活動が酸化ストレス制御機構に及ぼす影響
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15K21434
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
高橋 将記 早稲田大学, 理工学術院, 研究院助教 (30711189)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 加齢 / 身体不活動 / 酸化ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
定期的な運動や身体活動が抗酸化防御を誘導し、酸化ストレスを抑制することにより生活習慣病の発症予防や死亡率の低下に寄与することが示されている。一方で、慢性的な座位行動・身体不活動が抗酸化防御機構を含めた酸化ストレス制御機構に及ぼす影響は明らかではない。高齢者における座位行動・身体不活動と酸化ストレス指標との関連について検討するために、以下の研究課題を設定した。研究課題①では、高齢者における日常生活下の身体活動量および身体不活動の時間と血中酸化ストレス指標との関連を検討した。研究課題②では、「日常的な身体活動を増加させ、できるだけ身体不活動・座位行動を減らすこと」を教示した介入が、高齢者における血中の酸化ストレス指標に及ぼす影響について検討した。研究課題①では、平均年齢73歳の女性55名を対象とし、日常生活下における身体活動量ならびに身体不活動の時間を3軸加速度計を用いて評価した。身体活動量の評価後、血中の酸化ストレス指標として活性酸素代謝産物およびヘキサノイルリジン濃度を測定した。その結果、日常生活下における身体活動量と活性酸素代謝産物およびヘキサノイルリジン濃度との間に統計的に有意な関連性は認められなかった。また、身体不活動の時間と活性酸素代謝産物およびヘキサノイルリジン濃度との間にも統計的に有意な関連性は認められなかった。 研究課題②では、平均年齢71歳の女性38名を対象とし、対照群19名と介入群19名に無作為に割り付けた。介入群には、強度・時間・頻度を問わず日常的な身体活動を増加させ、座位行動・身体不活動の時間を減らすように教示を行った。対照群には、現在の生活習慣を維持するように指示した。現在、介入前の採血と各種測定を実施が終了している。今後、介入後評価ならびに血液分析を実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度に予定していた高齢者の介入研究を、平成27年度に前倒しで開始することができ、今後介入後評価の解析から2016年度の研究を開始できるため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、平成27年度に実施した介入研究の血液分析を実施する。介入期間中に装着している3軸加速度計を用いて身体活動量を評価し、活動強度ごとの時間や頻度を算出する。また採取した血液から酸化ストレス制御機構(活性酸素代謝産物濃度、過酸化脂質濃度、過酸化水素濃度など)、抗酸化能力指標(内因性の抗酸化酵素活性、非酵素的抗酸化能力、チオレドキシン濃度など)、一般生化学、血糖値の介入前後の変動を評価する。
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Causes of Carryover |
平成28年度に予定していた研究を平成27年度に前倒しで実施することとなったため、平成28年度の研究費を一部前倒し請求を行った。実際に、前倒し請求額の一部は平成27年度に使用している。その残額を平成28年度に繰り越すため、「次年度使用額(B-A)」欄が「0」より大きくなっている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初、次年度に使用する予定だった使用額を次年度の予算と合わせて使用するため問題なく使用できる。具体的には、前倒しで開始した介入研究の事後評価の血液分析費として使用する。
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Research Products
(1 results)