2018 Fiscal Year Annual Research Report
The Deveropment of Editing the Local Gazetteer from the Song to the Qing Era: An Examination of the Editing Process and Description of Local Governance
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15K21439
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
小二田 章 早稲田大学, 文学学術院, その他(招聘研究員) (10706659)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 近世中国 / 地方志 / 編纂過程 / 時代性 / 地方官 / 治績 / 地域社会 / 杭州 |
Outline of Annual Research Achievements |
目的 本研究は、中国の宋代以降における「地方志」の編纂活動と社会変容との関連を検討し、最終的には、地方官と地域社会の接点に発生する社会秩序の変遷史を描くこと、及び近世東アジアにおける類似の書物を生みだす社会背景を検討する比較研究の基盤を造ることを目標としている。本年度が延期された研究計画の最終年であり、宋~清代の地方志編纂に関する研究として、可能な限り一旦のまとめを行う。また、海外への発信として、懸案となっていた「英語での学会報告」及び論文作成を試みる。 方法と成果 基本的には、「地方志」について、その編纂過程、及び編纂主体である地方官と密接に結びついた「治績」項目について、書誌学的状態も含めて丹念に検討することで、「地方志」の歴史的位置づけを明らかにする。申請者は、宋代以降地方志を数多く編纂した杭州地域を場とし、各王朝期ごとに特徴的な史料を検討する。特に、清代において初めて地方志を史学思想として定義した章学誠について、これまでの思想史等の研究成果を整理しながら、清朝期の地方志編纂の変容とその時代性について検討を加える。 成果として、英語による学会報告(ASCJ2018、於国際基督教大学、2018年6月、章学誠の地方志編纂と女性記載についての報告)を実行し、英語誌への投稿を試みた。また、それと並行して、宋~清代地方志編纂に関してのまとめを構想し、将来の単著「序論」に向けて、メモを作成した。なお、本年度への延期理由であった「育児・家庭の負担増大」は本年度も継続し、延期されていた項目内容の再度延期・申請者の次の科研費への持ち越しが発生した。
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