2016 Fiscal Year Annual Research Report
Verification of the force-dependent binding of an alpha-catenin to an actn filament
Project/Area Number |
15K21444
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
下澤 東吾 早稲田大学, 理工学術院, 助教 (00386608)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | タンパク質動態 / 多量体形成 / 蛍光タンパク質 / BiFCプローブ |
Outline of Annual Research Achievements |
αカテニンは細胞間接着に必須の因子だが、細胞内の動態や機能については不明な点が多い。本研究は、αカテニンとアクチンフィラメントの張力依存的な結合様式の解明を主な目的としていたが、研究開始直後に他グループより詳細な報告がなされた。そこで、もう一つの目的であった細胞質中およびカドヘリン・カテニン複合体(CCC)中のαカテニン2量体形成の検証、に取り組んだ。αカテニンの細胞内の動態や2量体形成を計測するには、2量体形成を検出する蛍光プローブ(BiFCプローブ)が必要となる。しかしながら既存のGFP系のBiFCプローブは、2量体形成後に解離が起こらず不可逆過程になること、2量体形成後の蛍光発生に遅れ時間があること、からαカテニンの細胞内動態を正しく計測することが困難であった。これらの問題を解決すべく、近年発見された結合したリガンドを発色団とする蛍光タンパク質UnaGを用いたBiFCプローブの作製を試みた。UnaGのN末端から82-83番目のアミノ酸残基間には、柔軟なリンカーを付随することでCaMなどのタンパク質ドメインを挿入しても蛍光能に影響がないこと、すなわち82-83番目の間で2分割することで所望の特性を持つBiFCプローブが作製可能であることを見出した。さらに、この研究の過程でUnaGには量子効率が明確に異なる2つの蛍光状態が存在すること、2つの状態の差異は周囲環境によるものであり化学組成や構造の変化を伴わないこと、この2状態の間を約5分の時定数で可逆的に遷移していること、高効率状態は92%の量子効率と考えられること、を明らかにした。これらの結果から、UnaGを用いたタンパク質動態計測に有用なBiFCプローブの可能性を示唆したのみでなく、UnaGへの変異導入により超高量子効率の蛍光プローブが実現できる可能性を示した。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] In vivo cardiac nano-imaging: A new technology for high-precision analyses of sarcomere dynamics in the heart.2016
Author(s)
Shimozawa, T., E. Hirokawa, F. Kobirumaki-Shimozawa, K. Oyama, S. Shintani, T. Terui, Y. Kushida, S. Tsukamoto, T. Fujii, S. Ishiwata, and N. Fukuda
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Journal Title
Progress in Biophysics and Molecular Biology
Volume: -
Pages: 31-40
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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