2015 Fiscal Year Research-status Report
日韓広報文化外交の比較研究-ロサンゼルス、ロンドンの2都市を中心として
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15K21453
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
久田 和孝 神奈川大学, 外国語学部, 准教授 (70649160)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 広報文化外交 / 日韓関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、基礎的研究を行なうとともに、在外広報文化センター関連組織と政府機関を主な対象として調査・研究を実施した。文献研究としては日本、韓国で近年出された文化外交、国際文化交流政策に関連する政府報告書や外交計画を分析し文化外交が推進されている政策的背景を探った。 実地調査としては日本国内の韓国政府機関、韓国内の日本政府機関を訪れ、昨今の日韓関係を受けた両国の文化受容の停滞状況についても調査、情報収集を行った。また当初研究初年度にロサンゼルスを訪問し日韓政府在外機関の訪問調査を行う予定であったが、いわゆる慰安婦問題の進展状況を鑑み、訪問先を入れ替え、2年目に予定していたロンドンの実地調査を実施した。ロンドンでは英国及びヨーロッパ地域における日本文化の発信ならびに定着状況、韓国文化の発信ならびに定着状況を調査するとともに、在英日本大使館、在英韓国文化院を訪問し、ロンドンにおける日韓政府の広報活動の現況について担当官よりインタビューを行った。また日本政府観光局(INTO)ロンドン事務所を訪ねインタビューを実施し、ヨーロッパ地域における日本観光振興の現況および展望についても貴重な知見を得ることができた。 当該年度の成果は引き続き整理中であるが、日韓両国が葛藤している対外広報戦略を把握した実績として、神奈川大学アジア研究センターで開催された「日韓国交正常化50周年記念シンポジウム」(2015年12月17日)において「日韓の相互理解を巡る市民社会と制度的問題」と題して報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初、韓国およびロサンゼルス(又はロンドン)への訪問調査を2回以上行うことを計画していたが、時間的都合によりそれぞれ1回ずつの訪問に止まったため、インタビュー調査成果におけるフォローアップがやや遅れているが韓国とロンドン地域における基礎インタビューまでは進んでいる。それにより中間報告としてのペーパーベースの発表を近日中に行い、平成28年度の継続調査を充実させ、収集されているデータ、文献の整理を推進することで当初の計画にあわせるよう努める。
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Strategy for Future Research Activity |
ロサンゼルスの訪問調査を実施、昨年度訪問のロンドン調査も再度行うことでジャパンハウス進捗経過についても観察、基礎対象としての外郭を浮かび上がらせることとする。また当初、在外期間におけるネットワークガバナンスの包括的調査も実施する予定であったが、膨大な調査労力と現地機関おける機微な問題もあることが判明したため、計量的調査・研究から質的・政策的研究へと計画を変更し、本国政府の方針と比較対照する形で政策提言へとまとめることとしたい。
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Causes of Carryover |
当初計画していた国外訪問調査が1都市ずつしか行えなかったため次年度使用額が生じた。またデータ管理、翻訳などの研究補助の雇用もできておらず人件費における支出がなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
国外訪問調査を充実させ、収集データの管理、および翻訳作業における補助員を雇用し、人件費として使用を予定している。
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Research Products
(2 results)