2015 Fiscal Year Research-status Report
抗腫瘍タンパクの局在に着目した新規悪性腫瘍治療薬を『育薬』する
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15K21455
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
宮本 千央 神奈川歯科大学, 歯学研究科(研究院), 研究員 (50633963)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 口腔癌 / ケモカイン / 育薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は腫瘍から分泌されたBRAKのWestern Blotを行った。Western blotの結果から,BRAKと結合しているタンパクの大きさを予測をし解析を進める予定だったが,BRAKと結合しているタンパクは確認できなかった。
次に、口腔癌細胞より分泌されたBRAKタンパクを用いた免疫沈降を行う予定であったが、口腔癌細胞株4株において分泌されたタンパク量が少なく良好な結果を得られなかったため、BRAKの発現ベクター作成、およびBRAK安定発現株の作成をおこなった。その結果HSC-3におけるBRAK安定発現株の作製に成功した。
またBRAKと血管新生促進因子の結合の検討において、VEGF-Aリコンビナントの添加実験では良好な結果が得られなかったため,VEGF-Aの発現ベクターの作成を行った。VEGF-Aにはスプライシングの違いにより少なくとも9つのサブタイプが存在する。このうちの6つに関してはHSC-3由来で発現ベクターの作製に成功したが、上皮での発現の少ないバリアントに関しては獲得が出来なかった。そこで、HNSCCの血管新生促進に関与すると言われる VEGF-A 121 と VEGF-A 165 に焦点を絞り、27年度はVEGF-A 165に関してBRAKとの結合およびBRAKによる機能阻害の有無について解析を行った。しかしリポフェクション法によるVEGF-165ベクター導入で良好な結果が得られなかったため、現在エレクトロポレーション法での遺伝子導入のプロトコルを構築中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、実験当初同定されていなかったターゲットとするタンパクの絶対量の不足等により、良好な実験結果が得られないことが多く、安定発現株の作製などに時間を費やした。その結果備品として購入予定であった卓上マイクロ冷却遠心機を利用する実験を行わなくなったため購入をしなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度におこなったBRAKのWestern Blotの再条件検討を行う。メンブレントランスファーの条件を精査するためにセミドライブロット iBlot2 Dry Blotting System の備品購入を行い検討を進める。27年度で作成したVEGF-A 165およびVEGF-A 121のベクターに関してエレクトロポレーション法での遺伝子導入をおこなう。そのうえで再度BRAKとの結合の検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
実験計画の変更により備品購入の申請をしていた卓上冷却遠心機の購入の必要がなくなったため、差額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
卓上冷却遠心機ではなく、実験計画の変更に伴い必要となったウェスタンブロッティングのセミドライトランスファー用タンパク転写機およびその周辺機器・消耗品類を購入する予定である。
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