2016 Fiscal Year Research-status Report
わらべうたを手がかりとした音楽学習における知識変換プロセスに関する研究
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15K21463
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Research Institution | Tokyo Future University |
Principal Investigator |
森 薫 東京未来大学, こども心理学部, 講師 (90624859)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 音楽学習 / となえうた / 知識 / エスノグラフィー / プラグマティズム / 暗黙知 / わらべうた |
Outline of Annual Research Achievements |
2016年度に進めた研究とその実績は、概ね2つに分けられる。1つめは、となえうた「どれにしようかな」についての分析に係るもの、2つめは、音楽学習における知識の諸相の検討に係るものである。それぞれについて、以下に述べる。 まず、目的の1つであった、となえうた「どれにしようかな」の旋律法や即興の方法、身体の動きとのかかわりを明らかにするための分析の作業についてである。ここでは、身体、特に手の垂直的な動きが、つむぎ出すうたの音楽的な安定を支える要因であることを明らかにした。リズムやテンポだけでなく、音程の明確さも、この動きと関連していることが示唆された。これについては、2017年4月に出版された書籍『子ども学への招待―子どもをめぐる22のキーワード』(近藤俊明他編著、ミネルヴァ書房)にて分担執筆者としてまとめた。 となえうたの分析と併せて、本研究の目的の1つである音楽学習における知識の実践的展開について明らかにするための理論研究も進めた。これについては、音楽教育研究者4名と連携しながら、「音楽の実践知」をテーマとした共同研究という形で進めている。デューイを中心としたプラグマティズムの知識観と状況的学習論、さらに音楽教育哲学の分野で1990年代以降に示された新たな知識論をもとに、音楽学習における知識の実践的展開モデルを構築する作業を行っている。なおこれについては、2017年10月に行われた日本音楽教育学会にて、共同企画として発表を行った。また、共著論文の執筆と学会誌への投稿を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
プラグマティズム知識観、状況的学習論、音楽教育哲学の知識論を統合する作業に時間を要している。また、となえうたにおける言葉の問題をどのように扱うのかについて検討する必要性を、音楽教育・民俗音楽学の研究者から指摘されているものの、分析・検討の方法については未だ定まっていない。
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Strategy for Future Research Activity |
「現在までの進捗状況」で述べた所論を統合する作業を行い、それをもとにした論文を発表したい。これについては現在(2017年5月)執筆しているところである。 また、となえうた「どれにしようかな」の分析を更に多角的に行ったうえで、小学校音楽科における我が国の伝統音楽を題材とした授業の構成方法や、教材を考案したい。
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Causes of Carryover |
資料収集のための支出が予定よりも低くなったために若干の次年度使用額が生じている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度に遂行する研究において、資料収集と消耗品購入のために使用する。
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Research Products
(3 results)