2017 Fiscal Year Annual Research Report
Study for Multidimensional Knowledge Working in Music Learning through Investigation on Japanese Nursery Rhyme
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15K21463
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Research Institution | Tokyo Future University |
Principal Investigator |
森 薫 東京未来大学, こども心理学部, 講師 (90624859)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 知識 / 音楽学習 / わらべうた / 子ども |
Outline of Annual Research Achievements |
3ヵ年にわたる本研究の最終年度である2017年度は、2ヵ年にわたり行ってきた実地調査の整理と、音楽学習における知識論に関する文献調査を引き続きおこなった。調査の成果をまとめ、1回の学会発表と、2本の論文執筆・投稿、1本の学位論文の執筆・提出、さらに2冊の共著による著書執筆をおこなった。2本の論文のうち1本は査読有の学会誌に掲載された。また学位論文については現在審査の途上である。著書2冊は、どちらも小学校音楽科授業に関するテキストであった。 おこなった研究の具体的な内容についてであるが、特に、音楽学習における知識論の検討と、二元論的知識観に代わるあらたな知識観の案出・提示に注力した。ジョン・デューイ(John Dewey)が構築した「探究の理論(Theory of inquiry)」、ジーン・レイヴ(Jean Lave)をはじめとする状況的学習の所論、音楽教育哲学者デイヴィッド・エリオット(David J. Elliott)の知識論を複合させて理論的枠組みを作成した。これをもちいて、実地調査で得られたデータを分析する作業をおこなった。マイクロ・エスノグラフィーの手法を用いて、子どもたちの発話・行為のデータを分析し、音楽学習の過程において多元的な知識が交錯し、あるタイプの知識が別のタイプの知識に引き継がれていく実践的展開の様子を描き出した。子どもの音楽学習において、直観的な音楽の知識が探究の契機となること、音楽的概念は意味がわからないままに用いられ発話されるが、そのことが子どもたちの分析的な思考を喚起していること等が明らかとなった。
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Research Products
(7 results)