2015 Fiscal Year Research-status Report
建築材料の湿気物性値の整理と建築環境解析ツールの普及に関する研究
Project/Area Number |
15K21465
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Research Institution | Shonan Institute of Technology |
Principal Investigator |
隈 裕子 湘南工科大学, 工学部, 講師 (10617749)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 建築材料 / 湿気 / 物性値 / 数値解析 / ユーザ支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、実験と数値計算の併用により建築材料の湿気物性値(水分容量、水分伝導率)を同定する方法の確立のため、複数材料を対象とした実験と数値解析によりその精度検証に着手した。具体的には湿度応答法(JIS A 1470-1)および温度応答法(JIS A 1470-2)に則り、模型実験を進めた。また、カップ法および平衡含水率測定法により、対象材料の水分容量、水分伝導率を測定を進めた。並行して、数値計算ソフト(建築の温湿度・熱負荷計算ソフトウェア)の計算アルゴリズムの解析による高効率化とユーザ支援ツールの設計・制作に着手した。本研究は、調湿建材が室内の温湿度環境におよぼす影響を定量的に把握することを目的とした一連の研究に必要となる、湿気に関わる材料物性値(水分容量、水分伝導率など)の推定方法の提案と確立、その物性値の整理と、実測実験と数値解析の併用による調湿建材の評価(室内温湿度および暖冷房消費エネルギーへの影響)を目的としている。また、数値計算ソフトの汎用性向上と普及のため、計算アルゴリズムの解析による高効率化とユーザ支援システムの構築(ユーザ支援ツールの開発、普及、サポート)を行う。これは、より長期的な目標として、建築への調湿建材導入の検討を設計の段階で行えるようにすることを掲げており、そのために、指標作成(調湿建材の性能‐使用量など)や湿害予防・解決方策の整理、検討に用いるツール(数値計算ソフト)の普及が必要になるという考えによる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に進展している。一部、建築材料の水分容量および水分含水率測定では、予定より時間がかかっている。これは、実験準備(おもに平衡状態に保つまでに日数を要する)や計測機器を占有できないことに起因しており、都度調整をはかっている。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的には計画通りに研究を遂行する。先述の、実測に時間を要する点や計測機器の使用については、夏期休暇などを利用することで調整を図る予定である。
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Causes of Carryover |
実験計画の若干の遅延に伴う支出予定の変更。時期が若干ずれたのみで使途は計画通り。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度、夏期休暇を利用して実験を遂行する予定のため、その準備段階で支出する予定。
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