2015 Fiscal Year Research-status Report
欠陥を有するナノ炭素材料の構造最適化に関する理論的研究
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15K21485
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Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
史 金星 豊田工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 研究員 (30744669)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 格子欠陥 / ナノ炭素材料 / 構造最適化 / 剛性問題 / 振動問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
欠陥があるグラフェンシート(GSs)およびカーボンナノチューブ(CNTs)の剛性問題および振動問題について構造最適化手法の開発を順調に進めている. 1.欠陥を考慮せず,分子力学法と連続体力学を組み合わせることにより,GSs及びCNTsの連続体骨組モデルを構築することができた.次に変分法に基づく骨組構造の構造最適化手法を基にし,GSs及びCNTs等のナノ炭素材料の剛性問題に対する最適化手法を開発した.具体的には,まず,構築したGSs及びCNTsの骨組モデルに対してラグランジュ乗数法と随伴変数法を利用し,その剛性最大化問題を対象に関数空間での定式化を行った.そして、最適性条件と感度関数の理論的な導出によって,欠陥なしのGSs及びCNTsの剛性問題に対する構造最適化システムが完成した. 2.GSs及びCNTsの骨組モデルは一般的な骨組構造体と異なり,構造最適化システムを実行する途中で材料定数の変更が必要となる.そこで,構造最適化システムの毎回の繰り返し結果に対してC-C梁の材料定数を原子間のエネルギーとマッチングさせることを試みた.これによりGSs及びCNTsの骨組モデルの構造最適化用のプログラムを完成させた. 3.GSs及びCNTsに格子欠陥の導入については,他のソフトウェアが必要となる.これに関しては、来年度の予算を使って購入する予定である.そのため,先にGSs及びCNTsの振動問題についての構造最適化プログラムに着手した.振動問題では,固有周波数最大化問題を対象に関数空間での定式化を行う.そこで、最適性条件と感度関数を理論的に導出し,重根問題を考慮し,欠陥なしのGSs及びCNTsの固有周波数最大化問題について構造最適化システムを完成させた.来年度は格子欠陥の導入を中心とし,欠陥があるGSsおよびCNTsの剛性問題および振動問題について構造最適化システムの開発を行い,実際のGSsおよびCNTs構造設計へ応用する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
GSs及びCNTsの骨組モデルに格子欠陥の導入については,他のソフトウェアが必要となる.これに関しては、来年度の予算を使って購入する予定である.そのため,GSs及びCNTsの振動問題についての構造最適化プログラムを先行させた.
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Strategy for Future Research Activity |
格子欠陥のないGSs及びCNTsの剛性問題及び振動問題について構造最適化プログラムが完成したので,来年度は格子欠陥の導入を中心とし,欠陥があるGSsおよびCNTsの剛性問題および振動問題について構造最適化システムの開発を完成させる. 開発した構造最適化システムを設計例題へ適用し,その効果を確認すると共に,論文化と学会発表を進める.
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Causes of Carryover |
国内学会参加費用の差額発生と一つのソフトの購入を行わなかったため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
国際会議の参加、及び新しいソフトの購入に充てる.
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