2017 Fiscal Year Annual Research Report
Hardware-independent Programming Language for Parallel Programming Education
Project/Area Number |
15K21511
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
水谷 泰治 大阪工業大学, 情報科学部, 准教授 (10411414)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 並列処理 / プログラミング教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は並列プログラミングの本質の学習に適した教育向け並列プログラミング言語とその処理系を開発し,その教育効果を評価することを目的とする. 平成29年度は,前年度までに開発した教育用並列プログラミング言語(T言語)の処理系を用いた並列プログラミング演習を実施し,受講者によるアンケート評価を行った.このプログラミング演習は2017/4/1(土)から2017/6/17(土)までの期間に並列処理を専門分野とする研究室に配属された大学4年生8名を対象に実施した.この8名はCやJavaによるプログラミングは学習しているが,並列プログラミングの学習は本演習が初めてである.演習課題は5つあり,最初の4つは簡単な通信プログラム,行列演算,画像処理などのプログラムをT言語で開発する.最後の課題ではT言語で開発したプログラムをC言語とMPI(高性能計算の分野において標準的に用いられているライブラリ)による再実装,およびCUDA(GPU上の並列処理における標準的な処理系)を用いた並列プログラムの作成である. アンケートの結果,T言語の単純さに対する肯定的な回答が多く得られた.具体的には,「シンプルであるため必要な処理を考えやすかった」,「MPIやCUDAに比べて関数等が直感的でわかりやすく学習のハードルが下がった」といった回答や,それに類する回答が多く得られた.また,最初にT言語で並列プログラムを作成してから最後に実際に用いらている処理系を用いて作成する形式については,「T言語によって基本的な考え方がある程度理解できているためMPIやCUDAの特有の処理も理解しやすかった」といった回答が得られた.これより,T言語を用いることで並列プログラミングの学習負荷の軽減に一定の効果はあったものと考えらえる.
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