2017 Fiscal Year Research-status Report
授業課題レポート文書における作成者の記述特徴のモデル化と盗用発見システムへの実装
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15K21514
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Research Institution | Osaka Sangyo University |
Principal Investigator |
大野 麻子 大阪産業大学, 工学部, 講師 (90550369)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | レポート盗用発見 / 記述スタイル特徴 / 作成者認証 / 記述における癖の抽出 / 異常検知 / 隠れマルコフモデル / 系列パターンマイニング / 知的学習システム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は研究代表者が平成28年度に出産及び産後の育児のため休職したことに伴い,平成28年4月~平成29年7月の中断期間を経て8月より再開した. 平成29年度中の完成を予定していた盗用発見システムの開発についてはUIについて改良の余地があるものの概ね予定通り完了した.中断期間前に取得した実験データを用いて本システムの盗用発見性能の評価実験を行った結果,他者データ間の類似性検出に基づく既存の手法では盗用と誤判定されるケースにおいても本手法ではいくつかの作成者特徴を根拠として盗用ではないと判定可能であるという示唆が得られた.但しモデルに学習させた作成者特徴と新たに得られたレポートの間で作成者認証を行った際に(盗用ではない自作レポートに対し低い一致度を出力するといった)誤判定が複数確認されたため,その原因を究明し作成者認証精度の向上を図るための検証を行った.また,中断期間前に行った検討結果を踏まえ,HMM以外の機械学習手法についてその特性や実装方法に関する情報収集を行い,提案手法と併用することができないか検討を行った.このように,システム開発および評価実験の実施など研究計画の基幹部分については研究計画上十分な進捗があり一定の成果が得られたといえる. 一方で,平成29年8月の研究再開後も配偶者の単身赴任が延長したことにより研究代表者が単独で乳児を養育しながら研究を継続するという状況が続き,十分な研究時間の捻出が困難であったことから,評価実験で確認された誤判定の原因究明と改善について,年度内に完了することができなかった.また,査読付き国際会議における発表を辞退するなど,研究成果の発表や国内外の研究者との意見交換を通した情報収集を行うことができなかった.但し情報収集については関連文献のサーベイや関西圏で開催の学会に参加するなど代替策を講じ論文執筆に十分な情報を収集・整理することが出来た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年度は「研究実績の概要」にて述べた通り,システム開発および評価実験の実施など研究計画の基幹部分については進捗があったものの,以下に述べる理由により研究成果の報告や学会における情報収集を行うことができなかった. 本研究は研究代表者が平成28年度に出産及び産後の育児のため休職したことに伴い,平成28年4月~平成29年7月の期間研究を中断し8月より再開した.しかし10月より帰任予定であった配偶者の単身赴任が半年間延長となり,平成29年度末(平成30年3月末)まで引き続き研究者が単身で乳児の養育を行いながら就業を継続することとなったことから,十分な研究時間を捻出することが困難となった.また,乳児の預け先が確保できず宿泊を伴う出張ができなくなったことから,予定していた査読つき国際会議における発表や情報収集のための学会聴講参加を辞退した. 但し,前述の研究環境上の制約については平成30年5月1日時点で解決しており,平成29年度中に行ったサーベイや評価実験の検証結果を用いて平成30年度も継続して研究を推進することでこの遅れ分は取り戻すことができると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度の評価実験において確認された誤判定の原因究明を行い,追加実験を通して前処理を含めたアルゴリズムの一部見直しを行う.これと並行し,これまでの調査結果を踏まえて他の機械学習手法の併用を行い,盗用発見精度の向上が可能であるか検証を行う.また,これまでの研究成果について学会発表を行うと共に国内外の研究者との意見交換や情報収集を行う.
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Causes of Carryover |
「現在までの進捗状況」にて述べた事情により,採録通知を受けた査読付き国際会議発表を辞退するなどしたため,出張旅費や学会参加費等に大きな未使用額が生じた.これらは次年度中に使用する見込みである.
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