2018 Fiscal Year Annual Research Report
A fundamental study on development of refractory cancer therapy system by precise controlled microwave normothermic irradiation.
Project/Area Number |
15K21516
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
浅野 麻実子 京都大学, 生存圏研究所, 研究員 (20582133)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | マイクロ波加熱 / 癌治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、産業技術総合研究所の協力により、in vivo用マイクロ波照射装置の開発を行った。本装置のマイクロ波照射部には、セミリジッドケーブルを採用した。これを平滑に切断して開放反射端を作製し、ここから外部に出るマイクロ波を試料に照射する仕組みとした。セミリジッドケーブルは、導波管と異なり遮断周波数がないため、幅広い周波数帯にてマイクロ波照射を行うことが可能である一方で、照射範囲が限局されるといった欠点もある。そこで、細胞培養実験にて汎用されている96 well plateを用いて、本装置を用いたマイクロ波加熱の温度分布測定を行った。96 well plateの底面にセミリジッドケーブルの先端を固定し、周波数2.45 GHzのマイクロ波を照射した。この時、96 well plate内にはbufferを添加した。温度はサーモカメラを用いて、96 well plateの上面及び側面部より温度測定を行った。その結果、出力が5W照射時の上面及び側面部の温度は、10分経過後に40℃付近にてプラトーとなった。一方で出力が7.8Wでの照射では、照射後まもなく上面と側面部の温度に有意な差が生じ、10分経過後では10℃以上の温度差が生じた。以上から、in vivoにてマイクロ波を照射する場合、セミリジッドケーブルの穿刺部周辺と外側にてマイクロ波の吸収効率が異なり、数mm単位で温度が大幅に異なることが示唆された。 本年度は、本装置を用いて、担癌モデルマウスにマイクロ波を照射し、癌細胞の挙動を確認する予定だった。しかし上記の通り、マイクロ波照射時の温度分布について詳細な解析を行う必要があったため、in vivoでの解析を行うことができなかった。
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