2016 Fiscal Year Research-status Report
リスク回避的な新聞売り子モデルによる返品の価値分析
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15K21528
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Research Institution | Momoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
大村 鍾太 桃山学院大学, 経営学部, 講師 (40724050)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 返品制 / リスク回避 / サプライチェーンマネジメント / 新聞売り子モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
既存文献の理論モデルのサーベイにより、モデル化や返品の価値分析に関して論点が定まらず発散していたが、日本の返品制についての文献サーベイから、対象を百貨店とアパレルメーカーに絞ることで研究の収束に向かっている。 百貨店とアパレルメーカーの関係は戦後から現代に至るまでに大きな変化をしている。返品制がその関係性の変化に与えた影響については、多くの研究蓄積がある。本研究で扱う新聞売り子モデルはオペレーションズマネジメント分野でのモデルであり、具体的なコスト項目、需要の不確実性の程度、意思決定のプロセスが必要になる。このモデル化に利用できる具体的情報が存在しており、また取引の結果発生する利益分配がその後の百貨店とアパレルメーカーにどのような戦略の変化をもたらしたのかについて明らかになっている。これらの情報を利用し理論モデルの分析とその考察を進めている。 リスク回避モデルとして計算上のメリットが大きいと考えられるRisk Toleranceのモデルを、上記モデルに組み入れること試みたが、計算可能なモデルを完成できていない。リスク回避が与える影響を分析するために、理論モデルの構築は重要であるが、理論モデルでの分析が難しい場合は、当初の計画のとおり、既存のリスク回避モデル(CVaR、平均分散、効用関数等)を利用した数値計算による分析を行う予定である。 ここまでの研究成果については、当該年度で2度、国際学会で発表している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究を収束させるため、対象を百貨店とアパレルメーカーにおける返品制に絞ることとした。この返品制については研究蓄積が多いため、計画時点で予定していた関係企業のオペレーション担当や情報システム開発担当へのインタビューを省略しても、モデル分析に関する十分な情報を得ることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
理論モデルでの分析が難しい段階で、数値計算による分析を行うことで考察に繋げる。
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Causes of Carryover |
当該年度の9月に4年に一度開催されるオペレーションズマネジメント分野の最大の国際学会(ハバナ)に参加する予定であった。アブストラクトは採択されており発表予定であったが、諸事情により渡航困難となり、参加できなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2017年度7月に関連分野の国際学会への参加で支出予定である。
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Research Products
(2 results)