動作解析・筋活動分析を用いた変形性膝関節症の進行要因の解明

2015 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 15K21539
• Research Institution: Hyogo University of Health Sciences
• Principal Investigator: 塚越 累 兵庫医療大学, リハビリテーション学部, 講師 (60724789)
• Project Period (FY): 2015-04-01 – 2019-03-31
• Keywords: 変形性膝関節症 / 動作分析 / 筋活動分析

Outline of Annual Research Achievements

本研究は変形性膝関節症に対して動作解析・筋活動分析を含めた多角的な評価を縦断的に行い、関節病態の進行に影響する要因を特定することを目的としている。初年度である平成27年度は、研究協力先である整形外科クリニックでの研究対象者募集を行い、重度の変形を除くKellgran-Lawrence分類GradeⅠ～Ⅲの変形性膝関節症患者14名を募集した。研究対象者に対して、Japanese Knee Ostearthritis Measureによる膝関節機能評価、レントゲンによる骨形態評価（内外側の膝関節裂隙幅、大腿骨－脛骨角度）、歩行・段差昇降等の動作時の三次元動作解析と筋活動分析、股関節・膝関節筋力評価、膝関節可動域、大腿筋の柔軟性評価、超音波画像診断装置による殿部筋・大腿筋の筋厚・筋輝度評価、歩行速度・6分間歩行等の運動能力評価、および2週間の身体活動量の評価を実施した。三次元動作解析では各種動作時の下肢関節角度および関節モーメントを解析し、筋活動分析では殿部筋・大腿筋・下腿筋の筋活動量および膝関節周囲筋における伸展筋・屈曲筋の同時活動を測定した。平成28年度は平成27年度と同様に研究対象者の募集と評価・測定を行い、変形性膝関節症の進行度と動作様式や筋活動状態、筋機能等との関連性を横断的に調べる予定である。また、平成29年度には患者群と同年代の健常者を募集して、患者群と同様の測定を行い、動作様式や筋活動動態、運動機能、身体活動量等について、患者と健常者の差を明確にする。平成30年度には平成27・28年度に測定した研究対象者の再測定を行い、変形性関節症の進行に影響する要因を多変量解析により縦断的に調べることを計画している。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当初の計画では初年度（平成27年度）から次年度にかけて50名の変形性膝関節症患者を募集し、動作分析や運動能力測定を実施する予定であった。しかし、研究環境の整備、患者の募集および測定に当初予定していたよりも多くの時間を要したため、初年度は14名の対象者数に留まっている。

Strategy for Future Research Activity

現在は比較的順調に研究対象者の募集と測定を実施できているが、当初の計画よりもやや遅れているため、対象者の募集・測定の推進速度を速めていく予定である。

Causes of Carryover

当初の予定に比べ、研究対象者数および研究測定実施数が少なかったため、測定に使用する超音波ジェルや筋電図電極等の購入を要さなかったため次年度使用額が生じた。

Expenditure Plan for Carryover Budget

平成28年度は当該年度に比べて研究測定数を増やすため、次年度使用額は測定にかかる消耗品（超音波ジェル、筋電図電極等）の購入費用にあてる。その他、平成28年度分として請求した助成金は当初の計画の通り、物品費および旅費に使用する予定である。